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先月,日本経済新聞につぎの文章が掲載されました。
『・・・豊富なラドン含有量を誇るラジウム泉で,湯につかるだけではなく,蒸気を吸気したり,湯を飲んだりと,様々な方法で温泉を体感できる。ラドンは体内に入ると様々な良い効果を及ぼすといわれ・・・』
アメリカ科学アカデミーの「放射線の生物学的影響に関する委員会(BEIR委員会)」が,2005年に提出した報告書にはこう書かれています。
『利用できる生物学的,生物物理学的なデータを総合的に検討した結果,委員会は以下の結論に達した。被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在しつづけ,閾値はない』
「しきい値」というのは,「これ以下は安全だ」という数値のことです。
放射線に被曝すると,どんなに少ない被曝量でもリスクがある,ということです。
これが,現在の科学の到達点です。
さて,ラドン(Rn,原子番号86)は自然に存在する無色無臭の気体で,放射性同位体です。
つまり,ラドンには,放射線を出す力,すなわち放射能があります。
ラドンは,放射線を出すので,被曝の大きな原因となります。
国連科学委員会によると,人間が自然放射線から被曝する年間平均線量2.4ミリシーベルトのうち,ラドンによるものが50%以上を占める,と評価されています。
また,ラドンは喫煙に次ぐ肺ガンのリスク要因とされています。
1920年代に,アメリカで「レイディトー」という飲料水が販売されていました。
「レイディトー」はラジウムとトリウムを含む放射性ドリンクで,放射性物質が健康に良いという誤解にもとづいて売られました。
「レイディトー」を毎日3本ずつ飲んでいた大富豪のエーベン・バイヤーズさんは,ラジウム中毒で死亡しました。
彼は,下あごの骨が壊死してはずれてしまいました。
ラジウムは放射性物質で,アルファ線という放射線を出してラドンになります。
もう一度,日本経済新聞の文章を書きます。
『・・・豊富なラドン含有量を誇るラジウム泉で,湯につかるだけではなく,蒸気を吸気したり,湯を飲んだりと,様々な方法で温泉を体感できる。ラドンは体内に入ると様々な良い効果を及ぼすといわれ・・・』
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