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1979年3月28日,アメリカ合衆国ペンシルベニア州にあるスリーマイル島原子力発電所の2号炉が炉心溶融(メルトダウン)しました。
2号炉は,運転を開始して3か月しかたっていませんでした。
事故後は放射線量が高すぎて原子炉に近づくことすら出来ませんでした。
電力会社は,炉心は溶けていない,と言い続けました。
原子炉の中を見ることができるようになるまで,5年かかりました。
事故から5年たって原子炉の中を見ると,原子炉の炉心は溶け落ちていました。
35年たった現在も,スリーマイル島原子力発電所の2号炉は廃炉にすることができません。
今から28年前の1986年4月26日,旧ソビエト連邦のウクライナ共和国にあったチェルノブイリ原子力発電所の4号炉が炉心溶融(メルトダウン)した後,原子炉が爆発しました。
4号炉は,運転を開始して約2年しかたっていない最新鋭の原子炉でした。
事故処理のために,60万人とも80万人ともいわれる現役軍人や退役軍人が事故処理作業に従事しました。
彼らはリクビダートル(清掃人)と呼ばれました。
そして,多くのリクビダートルが放射線障害で病気になり,死んでいきました。
チェルノブイリ原子力発電所の4号炉からばらまかれた放射性物質であるセシウム137の半減期は30年,ストロンチウム90の半減期は28.8年です。
28年前にばらまかれたストロンチウム90はやっと半分近くに減りました。
28年前にばらまかれたセシウム137はまだ半分以上残っています。
現在,チェルノブイリ原子力発電所の4号炉は,放射線が漏れないように「石棺」と呼ばれる巨大なコンクリートで覆われています。
28年たった今も廃炉にすることができないのです。
2011年3月11日に東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の1号機から4号機までが事故を起こし,1号機から3号機までは炉心が溶け落ちました。
約100トンの溶け落ちた放射性物質の巨大なかたまり(これが3つもあります)は,原子炉圧力容器を溶かし,原子炉格納容器も溶かして,地中に落ち込んでいると考えられます。
しかし,だれも見ることはできません。
4号機の使用済み燃料プールから使用済み燃料棒を取り出す作業が始まって,あたかも廃炉の作業が進んでいるかのような報道がされています。
しかし,事故当時,4号機は停止していて,原子炉圧力容器の中に燃料棒はありませんでした。
4号機は炉心溶融(メルトダウン)していないので,近づいて作業できるのです。
1号機,2号機,3号機は炉心溶融(メルトダウン)しているので近づくことすらできません。
事故から3年。
廃炉にできるまで何十年かかるかわかりません。
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