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風評被害 ☆ あさもりのりひこ No.69

大飯原発
大飯原発

 マンガ「美味しんぼ」の『放射線に被曝したために鼻血がでた』という描写が「風評被害」だと,政府,福島県,地方自治体などが騒いでいます。

 

 東北・関東から避難してきた人たちの話を聞くと,子どもが鼻血を出したという事実は,確かな真実です。

 

 そもそも,子どもは鼻血を出しやすいものです。

 しかし,避難者の子どもたちの鼻血は,

 水道の栓を開けて蛇口から水が出るように,突然ほとばしり出て止まらなかった

 とか

 布団が血の海になった

 というすさまじいものです。

 

 

 セシウム137に代表される放射性物質は東北と関東の広い地域に存在しています。

 

 2013年9月6日と7日,福島県に行ってきました。

 環境放射線モニター「ラディ」を持参して,ガンマ線の放射線量を測定しました。

 

 福島県郡山市内の線量はつぎのとおりです。

  郡山駅前(バスの車内) 0.3μSv/h

  ホテル周辺(路上1メートル)0.3~0.4μSv/h

  21世紀記念公園

  (地上1メートル)0.5~0.6μSv/h

  (地面:芝生の上)1.3μSv/h

 

 0.3μSv/hを1年間あびると2.628ミリシーベルトになります。

 郡山市の人口は32万8506人です。

 32万8506人が1年間で2.628ミリシーベルトの放射線をあびると,全年令平均で320人がやがてガンで死にます。

 福島第一原発が爆発してから3年が過ぎました。

 1年間で320人ですので,3年だと960人が,原発の放射線のために,やがてガンで死ぬことになります。

 

 大人が1年間で1ミリシーベルトの放射線をあびると,2500人に1人の割合でやがてガンで死にます。

 2.628ミリシーベルトだと1000人に1人です。

 

 赤ちゃん(0才児)は放射線の感受性が高いので,大人の4倍も危険です。

 赤ちゃんが1年間で2.628ミリシーベルトの放射線をあびると,250人に1人の割合でやがてガンで死ぬことになります。

 

 郡山市の出生数は年間約2500人です。

 250人に1人がガンで死ぬということは,郡山市で生まれた赤ちゃんのうち毎年10人が,原発の放射線のために,やがてガンで死ぬ,ということです。

 

 

 2014年5月21日,福井地方裁判所は,大飯原発の運転の差し止めを認めました。

 原発訴訟で,原告(住民)が勝訴したのは3件目です。

 これまでの2件はどちらも上訴審で逆転敗訴しています。

 

 関西電力株式会社は控訴するでしょうから,名古屋高等裁判所金沢支部の判断が重要になります。

 名古屋高等裁判所金沢支部第1部(民事)の裁判官はつぎの4人です。

 

 市川正巳(30期,前任地は東京地裁立川支部)

 藤井聖悟(46期,前任地は東京地裁)

 寺本明広(47期,前任地は大阪地裁岸和田支部)

 小川紀代子(54期,前任地は奈良地裁)

 

 彼らの判断に注意する必要があります。

 

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コメント: 2
  • #1

    青さぶ (金曜日, 23 5月 2014 12:48)

    美味しんぼの事で気にはなっていました。
    漫画の中の仮想の世界に何をやいやい言ってるのかとも思っていましたが、
    朝守さんの根拠のある数字で示すとやはり深刻に考えなくてはなりませんね。
    被災者、政府、電力会社、県、作家、それぞれの立場で物を言うので何が本当なのかわからなくなってきてしまいます・・・

  • #2

    朝守令彦 (金曜日, 23 5月 2014 16:26)

    自分と自分の家族の命は自分で守るしかありません。
    どんな地域や場所が放射性物質に汚染されているのか?
    どんな食べ物が放射性物質に汚染されているのか?
    放射性物質に汚染された食べ物はどこに行くのか?
    どんなところで売っている食べ物,どんなところで出される
    食べ物が危険なのか?
    勉強しないと死にます。