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ある日どこかで ☆ あさもりのりひこ No.113

リチャード・コリアは脚本家志望の大学生。

処女作が成功して,上演後にパーティを開いている。

上品な老女が,リチャードに歩み寄ってくると

「Come back to me」

 と言って,懐中時計を手渡して,去って行った。

 

 8年後,脚本家になったリチャードは,スランプになって,車で旅に出た。

 リチャードは,旅の途中でたまたま通りかかったグランドホテルに宿泊する。

 グランドホテルの資料室で,リチャードは美しい女性の写真に魅了された。

 その女性は,1912年にグランドホテルで公演した女優エリーズ・マッケナであった。

 リチャードは,エリーズに会うため,時間旅行(タイムトラベル)を試みる。

 はたして,リチャードはエリーズに会うことができるのか・・・

 

 原作リチャード・マシスン,監督ヤノット・シュワルツ,音楽ジョン・バリー,主演クリストファー・リーヴ,ジェーン・シーモア

映画は「ある日どこかで」Somewhere in Time

 

 原作では,マーラーの交響曲第9番が使われている。

 しかし,シュワルツ監督は,マーラーはこの映画にふさわしくないと考えた。

そこで,ジョン・バリーが,これはどうだろうと提案したのが,ラフマニノフ作曲「パガニーニの主題によるラブソディ」だった。

 

 冒頭で脚本家になったリチャードのオフィスのステレオで流れている

 リチャードが,今は亡きエリーズの家で,グランドホテルの建物の模型の屋根を開くとオルゴールが奏でる

 リチャードとエリーズが湖でボートに乗っているとき,リチャードがくちずさむ

 などなど,印象的なシーンで効果的に使われている。

 

 ちなみに,今は亡きエリーズの家で,エリーズの遺品を守っている元家政婦ローラを演じたのはテレサ・ライト。

 「疑惑の影」でジョセフ・コットンと共演した少女である。

 なつかしい。

 

 リチャードとエリーズが湖でボートに乗っているとき,リチャードが「パガニーニの主題によるラブソディ」くちずさむ。

 リチャードがラフマニノフの曲だと言うと,エリーズはラフマニノフは好きだがその曲は知らない,と答える。

 この物語の舞台は1912年,ラフマニノフが「パガニーニの主題によるラブソディ」を作曲したのは1934年。

 つまり,物語の中ではまだ存在しない曲なのである。

 

「ある日どこかで」は名作である。

そして,映画の中で使われているラフマニノフの「パガニーニの主題によるラブソディ」がすばらしい。

 

セルゲイ・ラフマニノフは1873年4月1日に生まれたので,もうすぐ生誕142年になる。