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ロード・オブ・ザ・リング ☆ あさもりのりひこ No.121

映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作は名作である。

第1作は2002年3月2日,第2作は2003年2月22日, 第3作は2004年2月14日に公開された。

もう10年以上前の作品になる。

 

原題はThe Lord of the Rings

Ringsだから指輪は複数ある。

直訳すれば「指輪たちの支配者」になる。

その理由は,第1作の冒頭で説明されている。

 

映画「ロード・オブ・ザ・リング」は,小人族ホビットの青年フロド・バギンズが,魔王サウロンの指輪を「滅びの山」に捨てに行く話しである。

魔王サウロンの指輪は邪悪な力を持っていて,身につける者を惑わせる。

 かつてはホビットであったスメアゴルは,指輪の魔力に犯されゴラムになる。

 

 フロドはこの物語の主人公であるが,英雄ではない。

 フロドは善良な心を持っているが,戦闘能力はなく,小さくて弱い存在である。

 長大で,スケールが大きく,スペクタクルで,アクション満載の映画の主人公が,戦闘能力もなく,魔法も使えず,超能力も持っていない,善良な青年であることは特徴的である。

 

 第1作の「モリア」の坑道の中で,フロドが指輪を捨てる旅が余りにも困難なことにメゲて後悔している。

 魔法使いガンダルフがフロドに言う。

 「こんなことなら来るんじゃなかった,と思っているだろう。

  人は,苦しいときにはそう思うものだ。

  しかし,過去を変えることはできない。

  これからどうすべきかを考えるのじゃ」

 

 映画「ロード・オブ・ザ・リング」は,善良な青年フロドが幾多の困難を乗り越えて,サウロンの指輪を「滅びの山」の火口に捨てることに成功する,というストーリーではない。

 

第3作で,フロドは歩く力も使い果たして,親友サムに担いでもらって「滅びの山」を登る。

やっと,火口に立ったフロドは,最後になって,指輪の魔力に負けてしまう。

フロドは指輪を捨てないで自分のものにしようとする。

そのとき,つけてきたゴラムが指輪を奪おうとフロドに襲いかかる。

フロドとゴラムは指輪を奪い合い,ゴラムは指輪をはめたフロドの人差し指を食いちぎって指輪を奪い取る。

指輪を手にしたゴラムは,歓喜の表情を浮かべ,指輪の魔力に恍惚となりながら火口に落ちていく。

フロドは指輪の魔力に敗れ,フロドの欲とゴラムの欲がぶつかる中で,ゴラムの欲が勝って,指輪とともに火口に落ちていくのである。

 

大鷲に助けられたフロドは,その後も暗い表情をしている。

王になったアラゴルンが,4人のホビットにひざまずいて敬意を表する。

他のホビットたちは誇らしげだが,フロドだけは寂しそうな表情をしている。

フロドは自分がヒーローでないことを知っている。

サウロンの魔力を滅ぼすために,指輪を火口に捨てることができなかった。

ゴラムと醜く指輪を奪い合って,ゴラムに指輪を奪い取られて,ゴラムが指輪を持ったまま火口に落ちたのだ。

 

この物語で,強大な悪を滅ぼすのは,善良な心や勇気や不屈の魂ではない。

サウロンの魔力がフロドもゴラムも惑わせ,その魔力のためにサウロンは滅びる。

つまり,強大な悪は,すべてを破壊し尽くして,その強大さゆえに自ら滅んでいくのである。