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新聞舗 ☆ あさもりのりひこ №133

3年前から,新聞を配達する新聞舗の組合の顧問弁護士をしている。

先日,新聞補の組合の集会があり,来賓として出席した。

 集会の前半は組合の活動報告,後半は本社の役員や関係者など来賓の挨拶,その後は懇親会である。

 来賓の挨拶は,つまるところ「叱咤激励」である。

 販売部数を伸ばせ,顧客を獲得しろ,ということである。

 

 新聞は発行部数を減らし続けている。

新聞舗の経営はどこも苦しい。

 なぜか?

 原因は3つあると思う。

 

 一つ目は,電子媒体が広く普及したことである。

 ツイッター,フェイスブックなどのソーシャルネットワークサービス(SNS),ブログ,サイトなどなど,新聞を読まなくても(新聞紙を買わなくても)インターネットでニュース(情報)を知ることができる。

 

 二つ目は,若者の新聞離れである。

 10代,20代の若者は新聞を読まない。

 

 三つ目は,メディアの劣化である。

 福島第一原子力発電所の事故の報道において,マスメディアが国と電力会社を擁護し,国民を欺く不誠実な報道姿勢が目に余った。

 とくに,大手テレビと大手新聞社は,国会の記者クラブ制度によって,インディペンデントすなわちフリーランスの記者を記者会見から閉め出して,東京電力株式会社の言い分だけを垂れ流した。

 マスメディアのトップは安倍晋三と定期的に会食し,権力に飼い慣らされている。

 戦争法案の報道についても,地方紙ががんばっているのに対して,大手テレビと大手新聞社は,ジャーナリズムの体を成していない。

 

 これら3つは,どれも新聞補に責任はない。

 また,一つ目と二つ目は新聞社に直接の責任はない。

 しかし,三つ目は,新聞社の責任である。

 

 新聞社は新聞補に対して「叱咤激励」するのではなくて,その「体たらく」について詫びるべきである。