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貧しい小さな女の子 ☆彡 あさもりのりひこ №161

貧しい小さな女の子がいました。

女の子の家は,壁のひびわれや穴にはボロきれがつめてあったけれど,すきま風がようしゃなく吹きこんでくるので,とても寒かったのです。

 

女の子は,ものが売れなくて,かせいでいないで,家に帰ると,父親にぶたれました。

 

亡くなったおばあちゃんは,女の子をとてもかわいがってくれました。

おばあちゃんは,流れ星を見ると「星がひとつ落ちるたびに,人間の魂がひとつ神様のもとにのぼるのだよ」と教えてくれました。

 

クリスマスの夜には,女の子は,裕福な商人の家の窓からクリスマスツリーをのぞき見ていました。

 

それは,雪が舞って,とても寒い大晦日の夜のことでした。

貧しい小さな女の子は,母親のとても大きなスリッパを履いていたのですが,道を急いであわてたせいで,スリッパをなくしてしまいました。

 

女の子は,帽子もかぶらず,裸足で歩いていたので,足は冷えきって,赤と青のまだらになっていました。

女の子は,古いエプロンを着て,お腹をすかせ,寒さにふるえながら,歩きつづけていました。

 

二軒ならんでいる家のあいだのすみっこに,女の子は,雪をさけてすわりこみました。

女の子の両手は寒さでしびれていました。

女の子は,売り物のマッチの火で指先を温めようとしました。

 

1本目のマッチをこすると,ピカピカの真鍮のふたと,ずんぐりした胴をした大きな鉄のストーブがあらわれました。

 

2本目のマッチをともすと,ガチョウのまる焼きが,背中にナイフとフォークを刺して,ヒョコヒョコ歩いてきました。

 

3本目のマッチを燃やすと,大きくて,飾り物がたくさんついて,緑の枝には千本ものローソクがともっているクリスマスツリーがあらわれました。

 

4本目のマッチをすると,おばあちゃんが明るい光につつまれて,幸せそうに立っていました。

おばあちゃんは,女の子を腕にかかえとり,輝きと喜びにみちて,空へとのぼりはじめました。

 

その家の外のすみっこで,小さな女の子は,翌日の寒い朝,赤いほおをしたまま,口もとに笑みを浮かべたままの姿で,死んでいました。

大晦日の夜のあいだに凍え死んでいたのでした。

 

 

新しい年の朝が,小さななきがらのうえにおとずれました。