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村上春樹とスター・ウォーズ ☆ あさもりのりひこ №169

「スター・ウォーズ」はエピソード1からエピソード7まで製作されている。

 

エピソード1 ファントム・メナス

エピソード2 クローンの攻撃

エピソード3 シスの復讐

エピソード4 新たなる希望

エピソード5 帝国の逆襲

エピソード6 ジェダイの帰還

エピソード7 フォースの覚醒

 

「スター・ウォーズ」の全作品は,すべてつぎの言葉ではじまる。

 

A long time ago, in a galaxy

far , far away....

 

はるか遠い昔,銀河のかなたで・・・

 

そう,「スター・ウォーズ」は昔話なのである。

「スター・ウォーズ」の特徴は,未来の話ではなく昔話であることと地球が出てこないことである。

 

村上春樹の小説に「スター・ウォーズ」が出てくる場面がある。

「色彩を持たない多崎つくると,彼の巡礼の年」の238頁を採録する。

 

つくるは言った。

「このあいだプールで泳いでいるときに,泳ぎながらいろんなことを考えたんだ。君のこととか,ヘルシンキのこととか。なんて言えばいいんだろう,直感を遡って行くみたいに」

「泳ぎながら?」

「泳いでいるとものがよく考えられるんだ」

沙羅は感心したように少し沈黙の間を置いた。「鮭みたいに」

「鮭のことはよく知らないけど」

「鮭はとても長く旅をする。特別な何かに従って」と沙羅は言った。「『スター・ウォーズ』は見たことある?」

「子供の頃に」

「フォースと共に歩みなさい」と彼女は言った。「鮭に負けないように」

 

映画の字幕では「フォースとともにあらんことを!」と訳されている。

最新作「エピソード7 フォースの覚醒」でも,レイアがレイにこのセリフを言う場面がある。

村上春樹が「フォースと共に歩みなさい」と訳した原文はつぎのとおり。

 

 May the force be with you.