〒634-0804
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なら法律事務所
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業務時間
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2023年
12月
06日
水
どこにどんな「限度」があるのか、それはあらかじめ予示されているわけではありません。限度を超えた後になって、「限度を超えた」ということがわかる。限度はつねに事後的に開示されるものだからです。
2023年12月2日の内田樹さんの論考「暴力について」(後篇)をご紹介する。
どおぞ。
ハマスのテロによってイスラエル国民1400人が死にました。ですから、ガザ侵攻は自衛権の発動として当然だというのは「原理的には」正しい言い分です。でも、その「自衛権の行使」で、ガザでは非戦闘員である市民たちが13000人殺され、医療施設や教育施設や宗教施設など、軍事目標にしてはならない建物が爆撃されました。そうなるとこれは「自衛の過剰」ということになる。「自衛をすることは許されるが、自衛的暴力にも限度がある」というのもまた国際社会の常識です。ことは「限度を超えた」という程度の問題なのです。
どこにどんな「限度」があるのか、それはあらかじめ予示されているわけではありません。限度を超えた後になって、「限度を超えた」ということがわかる。限度はつねに事後的に開示されるものだからです。
仮に、イスラエルの攻撃がハマスの軍事拠点だけに限定されており、イスラエルの兵士たちが非戦闘員の被害を最小限にとどめる努力をしていたら、国際世論はあるいはイスラエルに与したかも知れない。でも、そうはならなかった。「限定」し、「とどめる」努力を怠ったからです。
正義はどちらかの陣営にあらかじめビルトインされているわけではありません。どちらにも戦う大義名分があります。でも、「限度を超えた」側は「正義を主張する権利が目減りする」。それだけのことです。
-哲学者ジジェクは、「ハマスとイスラエルの強硬派はコインの裏表だ。私たちは、境界線をハマスとイスラエルの強硬派の間に引くのではなく、二つの極端な勢力と平和な共存の可能性を信じる人たちの間に引かなければならない」と指摘しています。この点についてはどう思われますか。
内田 ジジェクが言いたいことはよくわかります。でも、「境界線」という言葉を僕なら使いません。そういう言葉を使うことでより効果的に暴力が抑制されるとは思わないからです。
「平和な共存の可能性を信じる人」も自分の家族や友人が殺されたら、信念が揺らぐかもしれないし、「戦いでしか未来は実現しない」と信じる人もあまりに多くの流血を見た後には戦うことの虚しさを感じるかもしれない。
僕の若い友人である永井陽右君はソマリアでゲリラからの投降兵士の社会復帰を支援するという活動をしています。少年兵としてリクルートされて、戦い続けてきたゲリラ兵士たちが「戦うことにうんざりして」市民生活に戻りたいと思う気持ちに応えるという仕事です。永井君たちの努力は「境界線」を「越境可能」な状態にすることに向けられています。これは果てしない暴力の中で疲弊しきったソマリアが最後にたどりついたひとつの実践的結論だろうと僕は思います。
敵味方の「境界線」を固定化しないこと。境界線があると、原理主義者はそれを超えることができない。原理主義者に「スティグマ」を刻印してはいけない。「極端な人」を「ふつうの人」の陣営に回収する努力を「ふつうの人」たちは止めるべきではない。
-先の大戦の教訓を活かせず、人類はなぜ「ジェノサイド」を止められなかったのでしょうか。
内田 今回のガザ侵攻が「ジェノサイド」であるかどうかはまだ国際的合意ができていません。1948年に制定されたジェノサイド条約による定義は(1)集団成員を殺害すること(2)集団成員の心身に深刻な危害を加えること(拷問、強姦、薬物投与など)(3)集団の破壊をめざす生活条件を強制すること(医療や教育機会の剥奪、強制収容、強制移住など)(4)集団内における出生を妨害すること(5)集団の子どもを強制的に他集団に移すこと、とされています。
イスラエルはガザのパレスチナ人をこれまで「巨大な監獄」の中に閉じ込めて、さまざまな生活条件の妨害を行ってきています。これはすでに「ジェノサイド」の(3)の要件を満たしていると言えるかも知れません。
このあとガザでの戦闘で、イスラエル軍の側に非戦闘員とハマスの戦闘員を区別する努力がまったく見られなかった場合には(1)の「集団成員の殺害」が適用されるかも知れません。
イスラエルの軍事行動が「ジェノサイド」に認定されることにアメリカやヨーロッパ諸国は反対するでしょうが、国際世論はイスラエルの暴力に歯止めがかからなければ、これを事実上の「ジェノサイド」であると認定するでしょう。
もちろん、だからと言って、国際社会にはイスラエルに具体的な「罰」を与える権限はありません。彼らの軍事行動を実力で止めることもできない。
でも、イスラエル国民はこれから長く国際社会においては「イスラエル国民」であると胸を張って名乗ることが難しくなるでしょう。人によってはその事実を恥じるようになるかも知れない。いずれにせよ、その名乗りが海外で暖かい歓迎を受ける可能性はこれから先きわめて低くなるはずです。身の安全を配慮したら、どこの国のパスポートを持っているか訊かれても答えないというような態度を取らざるを得ないようになるでしょう。
イスラエルが再び国家としての尊厳と信頼を回復したいと望むなら、今回ネタニヤフ首相が主導した戦争犯罪を認め、その責任を彼ら自身の手で徹底追及し、パレスチナの人たちに謝罪することについての国民的合意を達成しなければならない。それしか手立てはありません。
僕たちにできるのは「ジェノサイドは割りに合わない」という経験則を人類全体が共有するように努めることです。時間がかかりますけれど、人類の学習速度は非常に遅いのです。
2023年
12月
05日
火
本日、12月5日は事務局が担当です。
今日の天候は、昨日の晴天とは変わって、どんよりと曇っていて、朝がこの様な日は、少し気分が上がりませんよね。
更にこの時期は夜は、より寒くなり気分が上がりません。
やはり晴れて明るいと気持ちが高揚し易いですよね。
そんな時期に、嬉しいのが、イルミネーションです。
今年の近鉄八木駅前イルミネーション(ヤギナリエ)が先週の土曜日の夜から始まりました。
今年のコピーは「光り輝く未来を共に 橿原の冬」で、皆で明るい未来を迎えられる様に、暗く寒い冬を乗り切ろう!との気持ちがこもっているのかなと思います。
我が家も先月中旬からベランダにイルミネーションを取り付け毎晩夜に点灯させていて、仕事を終わった後に近鉄八木駅前で観て、帰宅前には我が家のを観て、癒しを得て気分が下がらないようにしています。
イルミネーションには色々な効果がありますが、光には人を惹きつけるものがあります。
まして暗闇を照らす光は人々に安心感を与えてくれます。
その他にも、イルミネーションには、一緒に観た男女に恋が生まれやすいという心理学的効果、暗闇でイルミネーションを観ると心の解放感を得て、コミュニケーションが図れる効果、更にイルミネーションと共に音楽が流れると「モチベーションが上がりやすい」という効果が有るそうです。
近鉄八木駅前高架下商店街には、音楽も流れていますので、本能が刺激されることによって、頑張ろうと「モチベーションが上がる」と思います。
是非、少し時間に余裕をつくって、夜に八木駅前を散策して下さい。
2023年
12月
04日
月
暴力の制御は「原理の問題」ではなく、「程度の問題」です。
2023年12月2日の内田樹さんの論考「暴力について」(前編)をご紹介する。
どおぞ。
文春オンラインに「暴力」についての質問に答えた。いま、ネットで公開されているけれど、そのうち新しい記事に埋もれてしまうだろうから、ここに残しておく。
-ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争‥...日々メディアやSNSから凄惨な光景が流れてくる時代を私達は生きています。圧倒的な暴力をまえに、倫理や道徳というものは無力なのでしょうか。
内田「圧倒的な暴力」を前にしたときに私たちがまずなすべきことは「圧倒的な暴力」を「制御可能な暴力」に縮減することです。それは質の転換のことではなく、量の規制のことです。
国際関係論では「危機」を二種類に分別します。danger とriskです。danger は「人知を以ては制御不能の危機」、「黙示録的危機」のことです。それに対してrisk は「コントロール」したり、「マネージ」したり、「ヘッジ」したりすることができる危機のことです。政治外交の要諦は「デインジャーをリスクに縮減すること」だと言われます。
僕はこのような知性の働きをたいせつだと思います。暴力をゼロにすることはできない。世の中の悪を根絶することはできない。それならその事実を前に絶望する暇があったら、それを「受忍限度内」に縮減する具体的な方法を考えた方がいい。僕はそういう考えです。
戦時国際法という法律があります。非戦闘員を攻撃してはならない。医療施設、教育施設、宗教施設などを軍事目標にしてはならないというようなことを規定しています。「何をのんきなことを言っているんだ」とせせら笑う人がいるかも知れません。「おい、戦争やってんだぜ。そんなところにうろうろしている人間が巻き添えを食うのは当たり前じゃないか」と。そういう考え方が「クール」で「リアル」だと思っている人が戦争を80年間知らない日本の中にもいるかも知れません。
でも、「戦争にもルールがなければならない」という合意にたどりつくために努力してきた人は別に「ルールを決めたら被害者がいなくなる」と信じてそうしてきたわけではありません。そうではなくて、戦闘のさなかにいる兵士が、銃口の先に市民の姿を見たときに一瞬引き金を引くことを「ためらう」ことを願ってこのようなルールを定めたのです。戦時国際法は非戦闘員の「コラテラル・ダメージ」をゼロにすることはできません。でも、減らすことはできる。
暴力を根絶することはできない。これは誰でもわかります。でも、だからといって「暴力の行使を抑制するあらゆる試みは無駄だ」という結論に一気に飛びつくのは「子ども」です。暴力を根絶することはできないが、抑制することはできる。だったら、一人でも死傷者を減らす工夫をするのが「大人」です。
実際に、遅々とした歩みではありますけれど、人間の社会は少しずつ「人間的」になっています。奴隷制度や、拷問や、異端審問や、人種差別・性差別は今も残存しています。でも、さすがにそれを堂々と、何のためらいもなく行う人は少しずつ減っています。少なくとも、それを合法的に行う公的機関はほとんどなくなりました。これは200年前に比べたら、たいへんな進歩だと僕は思います。
暴力の制御は「原理の問題」ではなく、「程度の問題」です。それは真偽や正否のレベルにはありません。「そんなのは五十歩百歩だ」と言って、程度を調整する努力を冷笑する人がいますが、そのわずか「五十歩」の差の蓄積によって人類の社会は少しずつ住みやすくなってきている。僕はそう思います。
-イスラエル・ハマス戦争をみても、それぞれの陣営の支持派でどちらに「正義」があるかをめぐって激しく世論が分断されていることをどうご覧になっていますか。
内田 どちらに「正義」があるかは原理的な議論です。原理的な議論には結論がありません。一方が100%悪で、他方が100%善であるというような戦争はこの世にはないからです。あるのは「正しさの程度差」だけです。
でも、これは虚無的な意味で言っているのではありません。「正しさの程度差」を冷静に考量することでしか、暴力は抑制できないからです。
2014年にロシアがクリミアをロシア領に編入するときに、プーチン大統領はクリミアではロシア系住民が差別、迫害されているからロシアは人道的立場からこれに介入した、ロシア編入は住民投票の結果圧倒的な民意を得た上でなされたと主張しました。このときプーチンは「民族差別はあってはならない」と「民主的な手続きによる決定は重い」という国際社会が「文句をつけられない」大義名分を掲げました。
2022年のウクライナ侵攻のとき、ロシアのプーチンは名分を立てましたが、それはウクライナ政府は「ナチ化している」という妄想的な「物語」でした。残念ながら、この物語を信じるものは国際社会におりませんでした。
2014年と2022年でロシアは「同じこと」をしたのに、国際社会のリアクションが違う。これは理不尽ではないかと言う人がいましたが、実際には「同じこと」をしたわけではありません。ロシアの「国際社会の常識を守るふりをする」努力において、この二つの軍事行動の間には、見落とすことのできない「程度の差」があったからです。それゆえ、国際社会はロシアを侵略者とみなし、ウクライナの国土防衛戦を国際法上合法的であるとみなした。「程度の差」はそれなりの実効性を持っているということです。
2023年
11月
30日
木
11月1日(水)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏。
11月2日(木)早朝、ウインドスプリント300m×10、47分10秒、7.648㎞、平均ペース6分10秒/㎞、累積上昇101m、消費カロリー469㎉。
6分30秒、6分27秒、6分40秒(100m)
1 1分11秒(4分25秒/㎞)
2 1分16秒(4分40秒/㎞)
3 1分08秒(4分10秒/㎞)
4 1分13秒(4分34秒/㎞)
5 1分07秒(4分12秒/㎞)
6 1分13秒(4分32秒/㎞)
7 1分06秒(4分13秒/㎞)
8 1分12秒(4分30秒/㎞)
9 1分05秒(3分58秒/㎞)
10 1分12秒(4分21秒/㎞)
6分09秒、5分30秒、5分22秒(100m)
9本目と10本目が速かったな。
この行程の自己記録を更新した。
11月3日(金・祝)、休足。
11月4日(土)早朝、ジョギング、51分17秒、7.73㎞、平均ペース6分38秒/㎞、総上昇量141m、消費カロリー536㎉。
7分05秒(上り下り)
7分05秒(上り)
7分08秒(上り下り)
6分22秒
6分50秒
6分45秒(上り下り)
5分45秒(下り)
5分53秒(730m)
11月5日(日)早朝、ジョギング、1時間16分31秒、12.41㎞、平均ペース6分10秒/㎞、総上昇量195m、消費カロリー849㎉。
1 6分37秒(上り下り)
2 6分30秒(上り)
3 6分49秒(上り下り)
4 6分06秒
5 5分52秒
6 5分53秒
7 6分01秒
8 6分02秒
9 6分10秒
10 7分27秒(上り下り)
11 5分15秒(下り)
12 5分35秒(上り下り)
13 5分24秒(410m)
この行程の自己記録を大幅に更新した。
11月6日(月)早朝、テンポ走、37分52秒、6.21㎞、平均ペース6分06秒/㎞、総上昇量83m、消費カロリー414㎉。
1 6分42秒(上り下り)
2 6分41秒(上り)
3 5分47秒
4 6分03秒
5 5分49秒(下り)
6 5分40秒(上り下り)
7 5分31秒(210m)
11月7日(火)早朝、西園美彌さんの魔女トレ。
夜、トレッドミル、30分、4.34㎞、傾斜2.0%、時速8.8㎞(6分45秒/㎞)、手首に重り1㎏×2。
11月8日(水)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏×2。
11月9日(木)早朝、坂道ダッシュ400m×3本、45分15秒、6.791㎞、平均ペース6分40秒/㎞、累積上昇152m、消費カロリー423㎉。
6分31秒(上り下り)
6分42秒(上り下り)
6分20秒(500m)
2分17秒(5分47秒/㎞)、3分25秒(7分07秒/㎞)
2分16秒(5分42秒/㎞)、4分10秒(8分49秒/㎞)
2分20秒(5分55秒/㎞)
7分31秒(上り下り)
6分01秒(上り下り)
5分58秒(100m)
この行程は7回目だが、自己記録を更新した。
11月10日(金)早朝、雨なので西園美彌さんの魔女トレ。
11月11日(土)早朝、階段1045段、47分34秒、6.12㎞、平均ペース7分46秒/㎞、総上昇量89m、消費カロリー464㎉。
8分02秒、8分30秒、7分35秒
7分40秒、8分09秒、6分59秒
5分31秒(120m)
11月12日(日)午前、稲渕の坂と細川の坂、2時間07分59秒、18.59㎞、平均ペース6分53秒/㎞、総上昇量482m、消費カロリー1277㎉。
1 6分38秒
2 6分37秒
3 6分08秒
4 6分42秒
5 8分34秒(上り)
6 7分01秒(上り下り)
7 6分32秒
8 7分21秒(上り)
9 9分43秒(上り)
10 7分14秒(上り下り)
11 5分25秒(下り)
12 6分21秒
13 7分53秒(上り)
14 6分21秒(下り)
15 6分02秒(下り)
16 6分16秒
17 7分17秒
18 6分13秒
19 6分09秒(590m)
奈良マラソン2023まで4週間。
11月13日(月)休足。
11月14日(火)早朝、西園美彌さんの魔女トレ。
夜、トレッドミル、30分、4.34㎞、時速8.8㎞(6分45秒/㎞)、傾斜2.0%、消費カロリー371㎉、手首に重り1㎏×2。
11月15日(水)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏。
11月16日(木)早朝、全力・ジョグ・全力、35分43秒、6.18㎞、平均ペース5分46秒/㎞、累積上昇87m、消費カロリー420㎉。
6分24秒(200m)
5分32秒(上り下り)
5分53秒(上り)
5分48秒
6分39秒(900m)
5分15秒(下り)
5分28秒(上り下り)
5分54秒(100m)
11月17日(金)早朝、雨なので西園美彌さんの魔女トレ。
11月18日(土)早朝、雨なので西園美彌さんの魔女トレ。
11月19日(日)午前、奈良マラソン試走、4時間49分28秒、36.91㎞、平均ペース7分51秒/㎞、総上昇量439m、消費カロリー2420㎉。
1 7分00秒
2 6分48秒
3 6分30秒
4 6分43秒
5 6分45秒
6 6分39秒
7 6分54秒
8 7分00秒
9 7分26秒(上り)
10 7分33秒(上り)
11 6分39秒
12 7分08秒
13 6分32秒(下り)
14 6分35秒(下り)
15 7分09秒
16 7分01秒
17 7分42秒
18 7分51秒
19 7分10秒
20 7分26秒
21 9分41秒(上り)
22 8分56秒(上り)
23 9分21秒(上り)
24 8分24秒(下り)
25 8分16秒(下り)
26 7分53秒
27 7分50秒
28 9分33秒
29 9分31秒
30 9分36秒
31 8分46秒
32 8分15秒
33 9分03秒
34 9分34秒(上り)
35 9分09秒(下り)
36 7分56秒
37 7分58秒(910m)
奈良マラソン2023まで3週間。
11月20日(月)休足。
11月21日(火)休足
11月22日(水)早朝、西園美彌さんの魔女トレ。
夜、トレッドミル、30分、4.34㎞、時速8.8㎞(6分45秒/㎞)、傾斜2.0%、消費カロリー371㎉、手首に重り1㎏×2。
11月23日(木・祝)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏×2。
11月24日(金)早朝、雨なので西園美彌さんの魔女トレ。
11月25日(土)早朝、ビルドアップ走、35分46秒、6.19㎞、平均ペース5分47秒/㎞、総上昇量97m、消費カロリー409㎉。
1 6分37秒(上り下り)
2 6分15秒(上り)
3 5分49秒
4 5分44秒
5 5分18秒(下り)
6 5分06秒(上り下り)
7 4分57秒(190m)
いい感じでビルドアップできた。
11月26日(日)午前、ペース走、1時間53分35秒、16.89㎞、平均ペース6分44秒/㎞、総上昇量226m、消費カロリー1145㎉。
1 6分42秒(上り下り)
2 6分48秒(上り)
3 6分47秒
4 6分29秒
5 6分20秒
6 6分58秒
7 6分40秒
8 6分45秒
9 6分57秒
10 6分32秒
11 6分33秒
12 6分44秒
13 7分03秒
14 7分39秒(上り下り)
15 7分10秒(上り下り)
16 6分02秒(下り)
17 6分11秒(890m)
6分45秒/㎞のマラソンペースで走った。
奈良マラソン2023まで2週間。
11月27日(月)休足。
11月28日(火)早朝、西園美彌さんの魔女トレ。
夜、トレッドミル、30分、4.34㎞、傾斜2.0%、消費カロリー371㎉、手首に重り1㎏×2。
11月29日(水)早朝、安藤大さんのアントレ。
11月30日(木)早朝、インターバル走、35分12秒、6.172㎞、平均ペース5分42秒/㎞、累積上昇80m、消費カロリー366㎉。
6分24秒/㎞(200m)
5分32秒、7分13秒/㎞(200m)
5分37秒、6分10秒/㎞(200m)
5分30秒、8分56秒/㎞(200m)
5分29秒、6分00秒/㎞(200m)
5分12秒、5分35秒/㎞(200m)
いい感じだ。
2023年
11月
28日
火
みなさん、こんにちわ。本日は事務局担当日です。
ワンコの犬種には多少の自信がある私ですが、
大谷選手の愛犬コーイケルホンディエは初めて聞きました。
コーイケルホンディエは、「注意力があり、また自立心はさほど強くないため、飼い主によく服従」し、「子どもともほかの犬とも仲良くできる穏やかな性格で、番犬にはまったく向かないタイプ」だそうです😆ここだけはうちのワンコと一緒です😝
早いもので、来月は師走。
今年の秋はどこにいってしまったのでしょう~
あっつ~からさっむぅ~にいきなり変わってしまいましたね。
体調管理にお気を付け下さい。
師走といえばクリスマス。
先日、本屋さんでこんな張り紙を見つけました。
「NPO法人チャリティーサンタ」さんがされているプロジェクトの一環で
本屋さんで自分で子供たちのために本を選んで本屋さんに預けると
その本が全国の大変な境遇にある子どもたちのもとへ届けられる、というものです。
東日本大震災のときにこのようなプロジェクトがあることを知り、
何冊か送らせて頂いたのですが、
その後もこういう活動をされていることを恥ずかしながら全然知りませんでした。
「チャリティーサンタ」さんは、他にもたくさんすてきなプロジェクトをされています。
「チャリティーサンタ」さんHPより
よろしければ、いちどご覧になって下さい。
私も、今度時間のあるときゆっくり本屋さんで本を選んで贈りたいと思います😀
2023年
11月
27日
月
問題の根源は「他者と共生すること」ができない人間の非寛容さです。
2023年11月16日の内田樹さんの論考「月刊日本インタビュー「ウクライナとパレスチナ」」(その3)をご紹介する。
どおぞ。
―― イスラエル戦争の停戦や新しい中東秩序が実現したとしても、パレスチナ問題の解決は至難の業です。
内田 こればかりはうまい解決策が思いつきません。1948年にパレスチナにイスラエルが建国され、先住民であるアラブ人たちは土地を追われました。その非道を正すための「アラブの大義」を掲げて、1948年から73年までに4度の中東戦争が行われましたが、イスラエルが軍事的にはアラブ世界を圧倒した。この戦争の終結のために、1978年にジミー・カーター大統領の仲介で、エジプトのサダト大統領とイスラエルのベギン首相の間キャンプ=デーヴィッド合意が取り結ばれました。この二人は翌年ノーベル平和賞を受賞しました。しかし、ここには戦争の当事者であるパレスチナ人の代表は呼ばれておらず、ベギンはエジプトとの和平実現後、1982年にレバノンにあるPLOの拠点を攻撃するレバノン侵攻を実行し、サダトはイスラエルと合意したことで「アラブ人同胞の裏切り者」と批判され、のちに暗殺されてしまいした。
1993年にはイスラエルのラビン首相、ペレス外相とPLOのアラファト議長が「二国家共存」を目指すオスロ合意を交わし、これも彼らにノーベル平和賞をもたらしましたが、ラビン首相はやはり自国の過激派に暗殺され、アラファト議長没後にPLOは分裂し、パレスチナは、主流派ファタハがヨルダン川西岸地区を支配し、非主流派のハマスがガザ地区を支配するという現在のような分断国家になりました。
二度にわたって和平合意がなされ、当事者五人がノーベル平和賞を受賞しながら、結局平和は達成できなかった。この歴史的経験からわかることは、どれほど合理的な和平合意も、それぞれ当事国の国民による「感情の批准」が得られなければ空文になるということです。
問題は和平協定そのものの合理性よりむしろ国民感情です。最も強く人を衝き動かすのは怒り、憎しみ、屈辱感といった「負の感情」です。だから、ポピュリスト政治家は、そのような「負の感情」を政治資源として利用して、権力を獲ようとする。でも、一度火が点いた感情はそう簡単にはコントロールできません。ポピュリストは、国民の怒りや憎しみや屈辱感を手段に使って政治目標を達成しますが、しばしば暴走する感情を御し切れずに自分自身が政治生命を失うことになる。イスラエルはおそらくそうなると思います。ネタニヤフ政権は「史上最右翼」と言われる政権ですが、それはイスラエル国民の怒りと憎しみを政治資源として「活用」することで権力を維持してきたということだからです。
10月7日のハマスのテロを事前に察知できなかったのは情報機関の失策だと言われていますが、そのせいで1200人の死者が出て、イスラエル国民の怒りに火が点きました。支持率低下に苦しんでいたネタニヤフにとってはこれが政治的浮力になった。怒りと憎しみをおのれの政治的求心力のために利用した以上、この後、仮にネタニヤフ政権が停戦に合意しようとしても国民感情がそれを許さないということが起きる可能性があります。過去二度の合意と同じように、和平に合意した者は味方から「裏切者」と罵倒されることになるかも知れない。
―― 最終的に国際問題を解決するためには、「負の国民感情」を鎮めなければならない。
内田 そうです。そのためには死者を鎮魂し、生き残ったけれど深く傷ついた人々を慰藉しなければならない。供養というのは、死者たちについては、彼らがどう生き、どう死んだのか、それをできるだけ精密に語り継ぐことです。それは「負の感情」に点火するための営みではありません。怒りと憎しみを鎮めるための営みです。そこから死者たちについての新しい「物語」が生まれてくれば、死者たちはもう「祟る」ことはなくなります。
その点で注目に値するのが、韓国の取り組みです。韓国ではこの10年、李氏朝鮮末期から日本の植民地支配時代、軍事独裁時代を題材にしたドラマや映画を次々に発表してきました。自国のトラウマ的経験、歴史の暗部をあえてエンターテイメント化してきた。私はこれは国民的規模での「鎮魂」の儀礼だと思っています。
日本でも朝鮮人虐殺を題材にした映画『福田村事件』が異例のヒット作になりました。これは森達也監督がこの「歴史の暗部」をあえてエンターテインメントとして再構成したことの成果だと思います。
物語がエンターテインメントとして成立するためには、登場人物たちに「深み」がなくてはなりません。薄っぺらで記号的な「善人」や「悪人」がぞろぞろ出てきても、感動は得られないからです。シンプルな「勧善懲悪物語」には人を感動させる力はありません。私たちが映画やドラマを見て感動するのは、すべての人は、それぞれ固有の事情を抱えながら、運命にひきずられるようにして、ある時、ある場所で、思いがけずある役割を演じることになるという人間の宿命の抗いがたさの前に立ち尽くすからです。『福田村事件』はそういう映画でした。私たちは死者たちについて物語ることを通じて「供養する」。それは死者たちに「善人」「悪人」というラベルを貼って、それで済ませるのではなく、一言では片づけられない人間の「深み」を物語るということです。
現在、日韓関係は改善に向かっていますが、その背後にはこういう文化的な努力の積み重ねがあるからだと思います。どれだけ長い時間がかかったとしても、私たちは死者の鎮魂と生者の慰藉を通じて負の国民感情を鎮静させ、民族間の憎しみの連鎖という「呪い」を解かなければなりません。
―― 「この世には命や平和より大切なものがある」という考え方があります。そういう超越的な価値に基づいて戦っている当事者に「命や平和を守りましょう」と呼びかけても説得できないではありませんか。
内田 十字軍やジハードや祖国防衛戦争など、いつの時代も現世の幸福を否定しても「聖戦」に身を投じるという人はいます。でも、来世の幸福を渇望するのは、現世が不幸だからです。テロリズムは今ここでの物質的・精神的な「飢餓」が生み出すものです。ですから、まずあらゆる人々の衣食住の欲求が満たされる必要がある。でも、それだけでは十分ではありません。自尊心や集団への帰属感が得られなければ「飢餓」は満たされない。
ヨーロッパでは移民の衣食住はなんとか制度的に整えられていますが、それでも移民によるテロ事件が後を絶ちません。それは彼らが日常的に劣等感や屈辱感を味わっているからです。テロリストになることで自尊感情と集団への帰属感を回復しようとするのは、今いる社会ではそれが得られないからです。
ですから、「テロリズムと戦う」というのは、「テロリストを根絶する」ということではなく、テロリズムを生み出す怒りと憎しみと屈辱感を誰にも与えない社会を創り出すということです。遠い目標ですけれども、テロリズムを根絶する方法はそれしかありません。
―― パレスチナ問題は「二国家共存」という政治的解決が示されていますが、真の解決はどうしたらできるか。
内田 パレスチナ問題の根源にあるのはヨーロッパの反ユダヤ主義です。近代反ユダヤ主義はエドゥアール・ドリュモンの『ユダヤ的フランス』(1886年)から始まります。ドリュモンはフランスの政治も経済もメディアも学問もすべてユダヤ人に支配されているという「陰謀論」を展開して、爆発的なブームを巻き起こしました。ドレフュス事件はその渦中で起きました。
ユダヤ人ジャーナリストのテオドール・ヘルツルは『ユダヤ人国家』(1896年)を執筆して、近代シオニズム運動の主導者になりますが、彼が「ユダヤ人の国」が建設されなければならないと決意したのは、取材に訪れたパリで、ドレフュス大尉の官位剥奪式に詰めかけた群衆たちの反ユダヤ感情の激しさに触れたことによります。「ユダヤ人はヨーロッパから出て行け」というフランスの反ユダヤ主義者たちの主張を重く受け止めたヘルツルは「ユダヤ人の国」の建設というアイディアを得ますが、このアイディアを最初に言い出したのは「反ユダヤ主義の父」ドリュモンです。「ユダヤ人はヨーロッパから出て、自分たちだけの国を建国すればいい。そうすれば、そこでは誇りをもって生きられるだろう」と彼はユダヤ人に向けて「忠告」したのです。
ヘルツルが「ユダヤ人の国」の建設予定地として検討した中には、ウガンダ、アルゼンチン、シベリアなどがありました。つまり、「どこでもよかった」のです。でも、やがて近代シオニズムはそれ以前から宗教的故地への入植活動として細々と営まれてきた宗教的シオニズムと合流するかたちで「シオンの地」であるパレスチナに「ユダヤ人の国」を建国することを目標として掲げることになります。
今、イスラエルはパレスチナとの共存を拒んでいますが、イスラエルという近代国家ができたのは、そもそもヨーロッパがユダヤ人との共存を拒んだことが遠因です。問題の根源は「他者と共生すること」ができない人間の非寛容さです。それが近代反ユダヤ主義を生み、パレスチナ問題を生み、現在のガザでの虐殺を生み、さらには新たな反ユダヤ主義さえ生みだそうとしている。
答えは簡単と言えば簡単なのです。反ユダヤ主義とパレスチナ問題は同根の問題だからです。これを生み出したのはどちらも「他者との共生を拒む心」です。そのような弱い心情に人が屈する限り、同じ種類の問題は無限に再生産されます。「理解も共感も絶した他者とも共生し得るような人間になること」、それ以外の解決法はありません。(11月4日 聞き手・構成 杉原悠人)
2023年
11月
24日
金
第一次世界大戦中、英国はオスマン帝国を弱体化させるために、アラブにはフサイン=マクマホン書簡で独立を約束し、ユダヤにはバルフォア宣言でユダヤ人の「民族的郷土(National home)」を約束するという「二枚舌外交」を行いました。それが今日のパレスチナ問題の原因となりました。
2023年11月16日の内田樹さんの論考「月刊日本インタビュー「ウクライナとパレスチナ」」(その2)をご紹介する。
どおぞ。
―― アメリカの覇権が衰退する中でヨーロッパと中東で戦争が勃発し、近代的な国際秩序が動揺する一方、前近代のパラダイムが復活してきている。
内田 そういうことだと思います。ただし、ウクライナとパレスチナは同列に論じることはできません。ロシア・ウクライナは独立した国民国家間の戦争ですが、イスラエルとパレスチナはそうではありません。パレスチナは長くイスラエルによって分断され、抑圧され、国家機能を奪われており、いまだほんとうの意味で国家としての政治的自立を達していませんから。
それからもう一点、ロシアとウクライナは文化的にも多くの共通点を持っている同じスラブ民族の「兄弟国」ですが、イスラエルとパレスチナは、民族が違い、言語が違い、宗教が違うまったくの「異邦人同士」です。ですから、仮にこれから和平があり得たとしても、この二つの戦争ではずいぶん違うものになるだろうと思います。
― パレスチナでの戦争は「21世紀の中東は誰が管理するのか」という問いを突き付けるものだと思います。
内田 「中東の管理者」は歴史的に見ると、13世紀から1922年まではオスマン帝国、大戦間期は英国、そして第二次大戦後はアメリカというふうに遷移しています。
第一次世界大戦中、英国はオスマン帝国を弱体化させるために、アラブにはフサイン=マクマホン書簡で独立を約束し、ユダヤにはバルフォア宣言でユダヤ人の「民族的郷土(National home)」を約束するという「二枚舌外交」を行いました。それが今日のパレスチナ問題の原因となりました。
大戦間期には「中東の管理者」を任じていた英国は、第二次大戦後に国力が衰え、「世界帝国」から大西洋の一島国に「縮む」という戦略転換をしました。その時に「中東の管理者」のポストは英国からアメリカに移りました。
しかし、アメリカも英国同様、中東の管理には結局失敗します。イラク、アフガニスタン、シリア、そのどこにもアメリカは「欧米的民主主義」を扶植することができなかった。そもそもアメリカが中東に強い関心を寄せたのは、石油資源が欲しかったからです。でも、中東全域をパックスアメリカーナの秩序下に収め、石油の安定供給を確保するために要する「統治コスト」より、アメリカ国内で資源を調達するための「技術開発コスト」の方が安いということがわかった時点で、アメリカには中東に固執する必然性がなくなった。
それゆえ、オバマは2013年に「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言し、アメリカは本格的な「リトリート(大退却)」を開始しました。それは「中東をコントロールするために要するコストは、中東からもたらされるベネフィットより大きい」という算盤を弾いた結果です。そうやって、2021年にはアフガンから撤退し、イラク駐留米軍の戦闘任務を終了しました。それに並行して、イスラエルとアラブ諸国の関係改善を主導して、2020年にはイスラエルとバーレーン、UAEの国交正常化を実現し、イスラエルとサウジとの国交正常化交渉を進めています。つまり、アメリカは「中東管理」という苦労の多い仕事をこれからはイスラエルに代行させて、自分たちはそっと逃げ出す算段をしていたんだと思います。でも、「リトリート」の代償として、アメリカはイスラエルに「中東におけるフリーハンド」を与えてしまった。それが裏目に出たのが今回のガザ侵攻だと言ってよいと思います。
厄介払いをしたつもりが、逆にアメリカはウクライナ問題に加えてイスラエル問題という問題を抱え込むことになってしまった。いわば「二正面作戦」を強いられることになったわけです。そして、ウクライナ支援では共同歩調をとってくれたヨーロッパ諸国の国民世論は圧倒的に「パレスチナ支援」に傾いていて、イスラエルを後押しするアメリカには国際社会のモラルサポートがありません。
アメリカはかなり手詰まりになっています。アメリカが中国との関係改善に意欲的なのは、そのためだと思います。ここで中国との関係が緊張してしまうと、いよいよ「三正面作戦」を展開しなければならなくなる。たぶん中国はここで窮地のアメリカに「貸し」を作ることで、対中国包囲網を緩和させるという譲歩を引き出すつもりでしょう。アメリカは譲るしかないと思います。
―― イスラエル戦争は米中接近につながった。
内田 そうです。でも、もちろん米中接近には限界がある。かつてイギリスがアメリカに覇権を委譲したのは、英米がアングロサクソンの「兄弟国」だったからです。でも、アメリカから中国への覇権委譲はそれほどスムーズには実現しないでしょう。かなり複雑で、ぎくしゃくした「米中協調」になる。でも、それしかアメリカにとっての選択肢はありません。今後、アメリカはウクライナでも、中東でも、アフリカでも、国際秩序を保つためには中国の外交力と経済力を借りなければならない。その点では中国に頼りたいのだが、中国の国際社会でのプレゼンスをこれ以上は大きくさせたくはない。どうしたらよいか。たぶん、米中以外に複数のキープレイヤーを関与させて、問題解決における中国のプレゼンスを減殺するという戦術を採択することになると思います。
中東の場合でしたら、トルコがこのキープレイヤーになるでしょう。今回の戦争についてエルドアン大統領はイスラエルを「戦争犯罪国家」と断じ、イスラエルを支持する欧米を「十字架と三日月の戦争を引き起こしたいのか」と厳しく批判しています。イスラム世界のリーダーとしては当然の発言だと思います。
でも、トルコは中国ともアメリカともロシアとも「等距離」にいます。何よりオスマン帝国には600年にわたって安定的に中東を統治してきたという実績がある。その歴史的経験を踏まえて、今新たに強国として登場してきたトルコが中東情勢安定に積極的に関与するというシナリオはアメリカにとっても中国にとっても決して「損になる話」ではない。アメリカからすれば、トルコはNATOの同盟国ですし、トルコ国内には米軍が駐留している。そして、トルコと中国はいずれ「帝国の辺境」において必ず衝突するはずだからです。
中国が「一帯一路」構想でめざしているのは西域から中央アジアを経て黒海に到る現代のシルクロードですが、その地域はそのままトルコからアゼルバイジャン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタンを経て新疆ウイグルの至る「スンナ派テュルク族ベルト」と重なります。どちらがこの地域の「主」となるか、その覇権をめぐって中国とトルコはいずれ必ず衝突します。この潜在的な緊張関係を利用すれば、アメリカはトルコと中国を「操作する」ことができるかも知れない。たぶん米国務省はそういう算盤を弾いているはずです。
2023年
11月
23日
木
「これは言葉の問題ではなく、時間の問題なのだ」というのは感染の拡大を前にして、この病気がペストかどうかをいつまでも論じている専門家たちに向けて『ペスト』の医師リウーが告げる言葉です。
2023年11月16日の内田樹さんの論考「月刊日本インタビュー「ウクライナとパレスチナ」」(その1)をご紹介する。
どおぞ。
― ウクライナ戦争に続いてイスラエル・ハマス戦争が起こりました。この事態をどう受け止めていますか。
内田 強い衝撃を受けました。これまでもイスラエルとパレスチナは衝突を繰り返してきましたが、今回は暴力性の次元が違うと感じます。イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザから攻撃を仕掛け、イスラエルは「戦争状態」を宣言して以来、徹底的な報復攻撃を行っています。欧米はイスラエルの自衛権を支持していますが、「これは自衛の範囲を超えている」と批判している国も多くあります。
でも、今回の事態を何と表現すればいいのか、私にも実はよく分からないのです。これは近代的な国民国家間の戦争ではありません。かといって、ポストモダン的な非国家アクターによるテロではないし、単なる民族抗争、宗教戦争とも言い切れない。そのどれでもなく、そのどれでもあるような、複合的な戦いが起きている。このような事態を適切に表現する言葉を私たちは持っていないという気がします。私たちはまず「何が起きているのかうまく説明できず、解決方法もわからない」というおのれの無知と無能を認めるところから出発する必要があると思います。
ただ、イスラエル側の認識には前近代的な宗教戦争や「聖戦」思想に近いものを感じます。今回、ハマスは非戦闘員を含むイスラエル国民を無差別に虐殺しました。これについてネタニヤフ首相はハマスを「新しいナチス」と呼び、演説では「私たちは光の民であり、彼らは闇の民だ」という善悪二元論的な理解を示しました。イスラエルの国防大臣は「私たちは人間のかたちをした獣(human animals)と戦っている」とまで言い切りました。イスラエルによれば、今回のハマスとの戦闘は、二つの国家がそれぞれの国益を守るために行う「ふつうの戦争」ではなく、人間が悪魔と闘っている「神話的な戦争」だということになります。それではイスラエルのガザ攻撃に歯止めが利かなくなって当然です。相手は人間じゃないんですから。
戦時国際法では、攻撃してよいのは敵戦闘員か軍事基地などに限られます。降伏者、負傷者、病人などの非戦闘員は攻撃目標にしてはなりませんし、医療施設も教育施設も宗教施設なども軍事目標にしてはならない。もちろん、実際の戦闘においては、市民や非軍事的な施設が「巻き添えを食う」ことは避けられませんが、それでも交戦時には「巻き添え被害」を最小限にとどめることがすべての軍隊には求められています。
しかし、今回のイスラエルのガザ空爆は敵国の構成員は原理的にはすべて潜在的な戦闘員だという理解に基づいています。たしかに戦闘員と非戦闘員の線引きは困難ですけれども、交戦に際しては、その線引きのために最大限の努力をすることが求められている。自分が殺そうとしている相手が戦闘員か非戦闘員かがわからないときには、引き金を引くことを「ためらう」ことを求めている。それは正義の実現とはほど遠いけれども、犯さなくてもよい罪は犯さない方がいいと命じている。ことは原理の問題ではなくて、程度の問題なんです。
ところが、今回イスラエルは、敵国の構成員である以上、子どもも大きくなれば兵士になるかも知れないし、医療施設で治療を受けた人間は治癒すれば前線で戦うかも知れないという理屈で「子どもも殺すし、病院も爆撃する」ことを正当化している。「ジェノサイド」と呼ばれるようになったのは、そのためです。
これは近代国家として守るべき最低限の節度を越えています。今起きている事態をどう呼べばいいのかは僕にはよく分かりません。でも、名前をどうつけるかよりも、この瞬間も殺され続けているガザの人たちの命を守るために一刻も早く停戦することが最優先される。「これは言葉の問題ではなく、時間の問題なのだ」というのは感染の拡大を前にして、この病気がペストかどうかをいつまでも論じている専門家たちに向けて『ペスト』の医師リウーが告げる言葉です。今のガザについても、同じことが言えると思います。
―― ウクライナ戦争にも聖戦の側面があります。
内田 ロシアも前近代のパラダイムに退行しつつあるように見えます。プーチンはウクライナの「非ナチ化」を掲げて侵攻しました。ウクライナ政府がナチ化しているというのは、まったくナンセンスな妄想です。でも、妄想にも十分に現実変成力はあります。妄想に駆られた人によって現に都市が破壊され、多くの人が殺されている。
一方のウクライナは、国土と国民を守る国民国家の自衛戦争をしています。こちらの方は戦うことに国際法的な合理性がある。ですから、国際社会はロシアを非とし、ウクライナの自衛には理があるとした。軍事支援はNATO諸国に限定されていますが、モラルサポートは世界から送られました。
しかし、パレスチナ戦争の勃発直後に、ゼレンスキーがイスラエル全面支持を打ち出したことで、ウクライナへのモラルサポートは一気に萎んでしまった。ウクライナの最大の戦力はロシアに対する倫理的優位性だったのですが、ガザの市民を虐殺しているイスラエルを支持したことで、その倫理性が深く傷ついてしまった。かつてウクライナを支持した同じ市民たちが今はパレスチナを支持しています。当然、欧米諸国政府の対ウクライナ支援の機運もこれで萎んでしまうでしょう。すでに「ウクライナ疲れ」が広がっているこのタイミングでのゼレンスキーの「失言」はもしかすると彼の政治的求心力に致命傷を与えるかも知れません。
2023年
11月
21日
火
皆さんこんにちは。今日は事務局担当です。
さて、前々回のブログでも触れていましたが、
待ちに待った嬉しいニュース。
大谷翔平選手が、
メジャー史上初!
2度目の満票でア・リーグMVP獲ったぞーーー
!(≧◇≦)!
発表当日、朝からそわそわしていたのですが、昼食時にネットニュースを見たら
大谷選手がMVPに決まった速報を見て、1人テンション⤴⤴上がってました。
他の事務局はその時出払っていたので、喜びを分かち合えなくて、
ちょっぴり寂しかったですが😅
今回、大谷選手は自宅でリラックスしながら
発表を待っていたようですが、
一緒に待っていたワンコとのやりとり、
溺愛パパっぷりが、もうかわいくてかわいくて💕
ワンコの頭をナデナデしたり、ハイタッチしたり、
頭にキスしたり、「もうちょっとさ~頑張ろうよ~」
とワンコに語りかけている大谷選手の姿に
キャーッと思わず机バンバンしたくなる・・・😆
あのワンコの犬種は何なのか、大谷選手が来ている服はどこのブランドなのか、など、
しばらく待っていると次々と特定されている様子が・・・皆さん凄かった😅
ちなみに、このワンコは、「コーイケルホンディエ」というオランダ原産の中型犬で、
日本にはまだ100頭ほどしかいない珍しい犬種だそうです。
あと、大谷選手が着ているグレーのニットは、
大谷選手がアンバサダーを勤めているBOSS(ボス)製で、7万4800円。
なかなかのお値段ですが、すでにオンラインショップでは全て完売したようです。
それでも今回、一番話題をさらった真のMVPは、このワンコで間違いない!(^_^)b
2023年
11月
20日
月
グーグルなどの企業で働く下流階級や中流階級の労働者の多くは、トレーラーハウスを駐車場に停めて生活しており、車の中で寝泊まりする者もいる。シリコンバレーには、全米最大級のホームレスの野営地がある。
2023年11月16日の内田樹さんの論考「書評『新しい封建制がやってくる グローバル中流階級への警告』ジョエル・コトキン著、寺下滝郎訳、東洋経済新報社」(後篇)をご紹介する。
どおぞ。
「貧困にあえぐ」ことの実相は以下の通り。
「グーグルなどの企業で働く下流階級や中流階級の労働者の多くは、トレーラーハウスを駐車場に停めて生活しており、車の中で寝泊まりする者もいる。シリコンバレーには、全米最大級のホームレスの野営地がある。」(102頁)
「アメリカのギグワーカーのうち、30代後半から40代(家族形成に最も適した年齢層)のおよそ3分の2が生活費の支払いに苦しんでいる。カリフォルニア州では、ギグワーカーの半数近くが貧困ライン以下で生活している。」(200頁)
ただし、この格差の拡大を「寡頭支配者たち」は座視しているわけではない。経済的に過度に窮乏化すると労働者たちが「鉄鎖の他に失うものはない」と自暴自棄になって反乱を起こすリスクがあるからだ。そこで「テック企業の巨頭たちの多くは、過去のビジネスリーダーとは対照的に、福祉国家の拡充を基本的に支持している」(85頁)
ここがポイントである。現在のテックジャイアントたちは「金ぴか時代」の富豪たちのような非道な守銭奴ではない。彼らは社会的弱者の生活を気づかい、気候変動や人権やLGBTについても「意識の高さ」を示す。株主に高額の配当をすることよりも、「国民の意識や政策に影響を与えること」(169頁)にむしろ関心を持っている。彼らはかつての啓蒙専制君主のように「開明的」なのである。
「ビジネスリーダーたちのこうした傾向は、寡頭支配層を有識者層(弁護士、学者、メディア関係者など)に近づける。」(170頁)
こうして、「芸術家と科学者」の連携が成り立つ。テックオリガルヒと有識者による世界支配という「新しい封建制」がやってくる。
「このモデルは寡頭制社会主義(oligarchical socialism)と呼ぶのが最もふさわしい。資源の再分配は、労働者階級と衰退する中流階級の物質的要求を満たすことになるであろうが、社会的上昇が促されることはなく、寡頭勢力の支配が脅かされることもないであろう。」(86頁)
寡頭支配者たちは「政治的に正しい」政策を現行の国民国家の政府よりも手際よく実行することができる(なにしろ個人資産がそのへんの国民国家のGDPを超えるのである)。
カール・ローズの『「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』も同じことを指摘していた。一般市民が合法的に自分たちの利益になる政策実現をめざす場合には、政党や労働組合や市民運動を組織し、議会に代表を送り、法律を採択させて、政府に実行させる...という手間をかけなければいけない。でも、「開明的な」寡頭支配者に懇願して、彼らが「いいよ」と言ってくれて政策がすぐに実現するとしたら、民主主義などという手間暇をかける必要があるだろうか?
賢い独裁者が平民の要求を実現してくれるなら民主主義は要らない。そういう考え方もできるだろう。そして、テックジャイアントたちは「わりと賢い独裁者」のように見える。だったら...
こういう考え方は明らかに民主主義の土台を掘り崩すものだ。でも、こういう主張はもうアメリカでは珍しくない。つい先日読んだ「世界はAIを統治できるか」という論文の著者は「大手テクノロジー企業は、自らが創造したデジタル領域において、事実上の独立した主権をもつアクターとして行動してきた」と認めている。(Foreign Affairs Report, No.10, 2023, p.47)
自分たちが開発したテクノロジーがどんなもので、何ができるかを完全に理解しているのは企業だけである。そのテクノロジーが軍事転用されて地政学的関係を一変させたり、完全な国民監視システムを創り上げたり、大規模な雇用消失をもたらすリスクがある以上、テックジャイアントはもう「従来の主権概念を超えた」存在であると言わなければならない。もし、これから先、AI規制の国際的な協定を策定する気なら、企業のCEOたちを交渉のテーブルに政府と同じステイタスで招くしかない。その時、テックジャイアントは単立の国民国家と同格の政治的アクターに叙任される。
かくして、民主主義はテクノロジーの進化ゆえにかつてない危機に瀕している。この民主主義の無効を理論的に正当化しているのが知的エリートたちである。彼らは「世界統制官(World Controllers)」(これはハクスリーの『すばらしい新世界』に出てくる職名である)の役を担う。「教師、コンサルタント、弁護士、政府職員、医療従事者など、物質的生産以外のしごとに従事している労働者」(111頁)が、世論形成に深く関与して、かつてカトリックの聖職者たちがしたように寡頭支配の「正当性付与者」として働くのである。
コトキンが「バラモン左翼」と命名するこの「有識者」たちはとりわけ大学に巣食って、若者たちを洗脳しているらしい。
「1990年に『リベラル』または『極左』を自認する教授の割合は全体の42%であったという。2014年になるとその割合は60%にまで跳ね上がった。数年後、一流大学51校を調査したところ、リベラル派と保守派の比率は最低でも8対1、開きのあるところでは70対1であることがわかった。(...)ハーバード、イェール、スタンフォード、コロンビア、バークレーなど、国のリーダーを多数輩出している名門ロースクールの教授陣のうち自らを保守派と称しているのは10%にも満たない。」(129-130頁)
思わず「ほんとかよ」とのけぞるような数値だが、このデータが本当ならば、アメリカのアカデミアは「ほとんどイデオロギーの再教育キャンプのようなもの」であり、「大学は、オープンマインドな知識人を養成するのではなく、狂ったように福音を説く説教者まがいの次世代の活動家を育てている」(131頁)いう著者の指摘は正しいであろう。
コトキンによれば、その結果、学生たちはもう古典を読まず、歴史を知らず、批判精神を失い、強権に従属し、言論の自由の制限さえ受け入れる傾向が強いとされる。(134頁)
若者たちが民主主義に愛想をつかして、強権的な政体に惹かれているという指摘は確かに現代の政治文化の一面をとらえていると私も思う。現に、「マイノリティに不快を与えるとみなされる言論の規制にミレニアル世代の約40%が賛成」(134頁)しているというのは日本についても妥当すると思う。
とりわけ「環境保護主義」の若者たちは異説に対してはなはだ非寛容である。しかるに、寡頭支配者たちはこの「政治的に正しい」イデオロギーに対してはなぜかずいぶんと親和的な構えを示している。つまり、環境保護主義については、支配者と知的エリートの若者たちの間では意思一致が成り立っている。
でも、過激な環境保護主義によってとりわけ忍耐や不便や支出を強いられるのは、貧しさゆえに「環境にやさしくないライフスタイル」(例えばガソリン車を移動手段に使うような)を取らざるを得ないミドルクラスや労働者たちである。
現代の知的エリートたちはもう「意識低い」労働者たちとの連帯を受け入れない。かくして、プロレタリアとその同伴知識人たちの間の「150年以上にわたる連携は終わる」。それは階級闘争の時代は終わったということである。階級闘争を通じての資源の再分配よりもより効率的でフェアな分配方法を寡頭支配者と有識者が設計してくれる時代が到来する。
テックオリガルヒとバラモン左翼の脳内で構想されている未来社会はおそらく「多くの人が望まない未来」(262頁)になるであろうとコトキンは予測する。富が一極集中し、都市化が進み、家族が減少し、社会的流動性は失われ、政策立案はエリートに委ねられ、民意は政策決定に際して考慮されなくなる。というのは、例えば気候変動に対するアプローチは市民生活に「戦時体制」に類するきびしい生活上の不利益と制約を要求することになるが、それが実現できるのは強権的な政体だけだからである。コトキンによれば、「問題が複雑なればなるほど、民衆の意見を無視したエリート主導の解決策が必要になる」という「寡頭制の鉄則」がこれからの統治の基本になる。(280頁)
民主主義にとっては絶望的な話ばかりだけれども、果たして現代の第三身分に革命のチャンスはあるのだろうか? これについてコトキンはほとんど実用的な知見を伝えてくれない。
「今日求められているのは、中流・労働者階級にとっての機会の拡大という第三身分の向上心に応えることを主眼とする新しいかたちの政治である」(284頁)とコトキンは書くが、それは「病気になったら、めざすべきは健康である」というのとあまり変わらない。まったくその通りであるけれど、でも、どうやって?
疑問符を頭上に点じながら最終頁までたどりついたところで、コトキンはいきなりこんなことを書いて私の度肝を抜いてくれた。
「日本は、たとえ経済の成長が止まっても、その代わりに精神的なものや生活の質の問題に関心を向けられる高所得国のモデルとなっていると考える学者もいる。日本は将来世界を征服するようなことはないであろうが、高齢化が急速に進む一方で快適な暮らしが送れる、アジアにおけるスイスのような存在になりうると考えている専門家もいる。」(290頁)
ちょっと待ってくれ。日本が「新しい封建制」の到来を阻止する橋頭保になりうるなどという話をここでいきなり振られても困る。
いや、たしかに世界各国の富裕層の人たちが「精神的なもの」や治安のよさや美食や温泉やスキー場を楽しむために日本を訪れ、「アジアのスイスだな、ここは」と満足顔をするということはもうすでに起きている。でも、その場合のわれわれ日本人の未来は「富裕層向けリゾートの下働き」として「アジアのスイス」を下支えするというなんだかあまり楽しくなさそうなものに私には思えてしまうのだが。
2023年
11月
17日
金
この本で繰り返し強調されていることは三つある。一つは格差の拡大、一つは民主主義の危機、もう一つが「バラモン左翼」による言説支配である。
2023年11月16日の内田樹さんの論考「書評『新しい封建制がやってくる グローバル中流階級への警告』ジョエル・コトキン著、寺下滝郎訳、東洋経済新報社」(前編)をご紹介する。
どおぞ。
標記の書物の書評を東洋経済オンラインから依頼されたので、こんなことを書いた。
タイトルから二つのことがわかる。「新しい封建制」が切迫していること。それによってもっとも大きな負の影響を受けるのがミドルクラスだということである。少し前にこのコラムで紹介した『意識高い資本主義が民主主義を滅ぼす』と問題意識の多くは共通している。超富裕層への富の集中、テックジャイアントの国家化、左右のポピュリズムの興隆、ミドルクラスの没落と民主主義の機能不全・・・どれも最近のアメリカの書物や論文に頻出する文字列である。でも、さすがに「封建制」まで踏み込んだ用例を私は知らない。さて、「新しい封建制」とは何か。
「今日、アメリカその他の国で出現しつつあるのは、新しいかたちの貴族制である。というのも、脱工業経済のもとで、富が少数者の手に集中する傾向がますます強まっているからだ。社会の階層化が進み、多くの人びとにとって社会的上昇の機会が狭まりつつある。(...)社会的上昇の道が閉ざされようとしているなか、自由主義的資本主義(liberal capitalism)モデルは世界中で魅力が褪せていき、いくつかの新しい教義が現れつつある。その一つが、新しい封建制(neo-feudalism)とでも呼ぶべきものを支持する教義である。」(36頁)
世界中の富を占有しているのはテックジャイアントのCEOたちを始めとする「寡頭支配者(oligarchs)」である。
「世界人口の上位0.1%が保有する世界の富の割合は、1978年には7%であったが、2012年には22%にまで増加したとされる。(...)2030年には、上位1%の富裕層が世界の富の3分の2を支配することになると予想されている。」(37頁)
そして、この寡頭支配を理論的に正当化する仕事を担っているのが「有識者(clerisy)」たちである。中世の封建制では聖職者が担ったこの役割を、現代世界では学者、メディア知識人、宗教指導者たちが演じている。アベ・シエイエスの区分を借りれば、彼らが第一身分と第二身分に当たる。そして、かつてフランス革命の主体となった第三身分の「平民たち」は現代では中流階級と労働者階級の二つに分かたれる。本書はこの「平民たち」に向けて、「立ち上がって寡頭支配と闘え」と訴えるために書かれている。
ただ、いきなり結論を言って申し訳ないが、本書はたしかに寡頭支配の現状については詳細に記述しているが、「平民たち」がどう運動を組織し、どのような綱領の下に連帯して、戦うことができるのかについての具体的な提言は特にしていない。もちろん、「どうやって革命を始めるか」を知りたくてビジネス書を手に取る人はあまりいないから、それは本書の瑕疵ではない。その代わり、これから世界がどういうディストピアになるかについて、著者はなかなか豊かな想像力を駆使してくれている。
英米人にはディストピアを詳細に描くことに異能を発揮する人が時々いる。オルダス・ハクスリー(『すばらしき新世界』)とジョージ・オーウェル(『1984』)がその代表格であるが、テクノロジーの暴走的進化によって世界が焦土になり、人類が未開状態に退化するという「ディストピアSF」はアメリカ人の独擅場である。「ディストピアと化したアメリカ」を描いたSF映画を私はたぶん100本は観ている。
なぜアメリカ人はディストピアを描くのがこんなに好きなのか。私は個人的な仮説を一つ持っている。それは「ディストピアを詳細に描くことによって、ディストピアの到来を阻止できる」という信仰をアメリカ人は深く内面化しているということである。現に、核戦争でアメリカが滅びる話を何百回も繰り返して語ってきたこの80年間、核戦争は起きなかった。
私は著者ジョエル・コトキンも、そのような信仰に涵養されて育った人ではないかと思う。だから、「ディストピアの実相」を描くことにはきわめて熱情的だが、「どうやって革命を始めるか」についてはあまり知的リソースを割く必要を感じなかったのだと思う。「ディストピアの実相を描くこと」そのものが「ディストピア到来阻止闘争」のきわめて有効な形態であるとアメリカでは広く信じられているからである。
だから、この本には「これでもか、これでもか」と現代資本主義の許し難い実相が(非体系的に)描かれるが、話がだんだん深まるとか、前段の記述を踏まえてその後に思いがけない仮説が展開する・・・というようなことは(あまり)ない。最初の章と最後の章で、もだいたい同じことが書いてある。でも、その代わりにどこから読んでもよい。どこかの頁をぱらりと開いて、そこに驚くべきことが書いてあったら、赤線を引いて、それを知らぬ人たちに告げ知らせることができるし、たぶんそういう読み方を著者自身が望んでいるのだと思う。
この本で繰り返し強調されていることは三つある。一つは格差の拡大、一つは民主主義の危機、もう一つが「バラモン左翼」による言説支配である。とりあえずコトキンの主張を順番に紹介してゆこう。まずは格差の拡大について。
「2018年までに、テック企業4社(アップル、アマゾン、アルファベット[グーグル]、フェイスブック)の純資産の合計は、(...)フランスのGDPに匹敵する額に達した。世界で最も資産価値の高い企業10社のうち7社がテック業界に属している。テックジャイアントとも呼ばれる巨大テック企業は、巨額の個人資産を生み出しており、地球上でもっとも裕福な20人のうち8人はテック業界で財を成した人びとである。40歳以下の富豪13人のうち9人がテック業界の人間であり、しかも全員がカリフォルニアに住んでいる。」(75頁)
そんなことになっているとは知らなかった。全員がカリフォルニアですか。そして、この富の集中は雇用の消失をもたらしている。
「テクノロジー主導の社会では、科学や技術に秀でた『選民』とその他大勢の格差が広がる傾向にある。今日、10億ドル規模のビジネスを立ち上げようと思えば、コーダーや金融の専門家、マーケティングの達人など、ごく少数の集団で十分であり、ブルーカラーや
中間管理職はあまり必要ない。」(68-9頁)
デジタル企業の創業者へのインタビューによると、「創業者らの多くは、『少数の非常に才能豊かな人や独創的な人が経済的富のますます多くの部分を生み出すようになり、その他の人びとは単発・短期の仕事を請け負う"ギグ・ワーク"で収入を得つつ、政府の援助を受けながら生活していくのだろう』と考えているようである。」(85頁)
「お払い箱」になった労働者たちは当然貧困化する。
「カリフォルニア州の社会秩序を特徴づけているのは、いまや流動性(社会的上昇)ではなく、階層化である。(...)米国勢調査局によると、カリフォルニア州の貧困率は全米で最も高くなったという。(...)カリフォルニア州の3分の1近くの家庭が、請求書の支払いをするのがやっとの状態であることが明らかになった。現在、カリフォルニア州の住民のうち800万人(うち児童200万人)が貧困にあえいでいる。」(98頁)
2023年
11月
16日
木
2023年10月15日、東京でマラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)が開催された。
結果はつぎのとおり。
男子
1位 小山直城(Honda) 2時間08分57秒
2位 赤﨑暁(九電工) 2時間09分06秒
3位 大迫傑(Nike) 2時間09分11秒
女子
1位 鈴木優花(第一生命グループ) 2時間24分09秒
2位 一山麻緒(資生堂) 2時間24分43秒
3位 細田あい(エディオン) 2時間24分50秒
男子は小山と赤﨑、女子は鈴木と一山が、パリ・オリンピックの代表に内定した。
オリンピックの代表選考レースなので、順位が重要なのはわかる。
しかし、タイムが遅すぎる(雨だとしても)。
現在の世界記録は、女子がティグスト・アセファ(エチオピア)の2時間11分53秒、男子がケルヴィン・キプタム(ケニア)の2時間00分35秒である。
MGCの男子では、川内優輝の「大逃げ」が話題になったが、川内のペースは2時間6分台に過ぎない。
MGCが日本のマラソンランナーの精鋭を集めたというのであれば、川内のペースでトップ集団が走らなければならない。
MGCの優勝タイムは、世界記録に比べると、男子が7分以上、女子が12分以上遅い。
パリ・オリンピックの本番が暑いとしても、世界のトップは、男子は2時間5分くらいのペース、女子は2時間15分くらいのペースで走るだろう。
日本の代表選手は、とてもついて行けないだろうから、せめて自己ベストを目指して欲しい(暑いけど)。
大迫傑は、MGCの前日の記者会見で、心構えとして「レース運び」をあげていた。
大迫は、トップグループの中で様子をうかがって、最後半に勝負する作戦だった。
しかし、小山、赤﨑について行けず、3位に終わった。
大迫は、競り合いに弱い。
2019年のMGCでは、中村のスパートについて行けず、最後は、服部に抜かれて3位に終わった。
2023年の東京マラソンでも、山下と競り合って、ついて行けず、最後は其田にも抜かれて、日本人3位だった。
大迫が、シカゴマラソンで2時間5分台で走って、日本新記録を作ったときは、トップグループではなく、マイペースで走った。
2022年の東京マラソンで再び日本新記録を作ったときも、トップグループではなく、マイペースを維持して、先行する井上を捉えて、日本人トップでゴールした。
2024年の東京マラソンで、大迫が、鈴木健吾と競うとしたら、集団の中で勝機を窺うのではなく、初めから2時間4分台のペースで走るべきだろう。
2023年
11月
14日
火
本日11月14日は、事務局の担当日です。
昨日のどんより暗く寒い天気と比べて、今日の近鉄八木駅前は、少し寒いですが、陽が差して、昨日よりはやや暖かな日になりそうです。
しかし、この天気が平年並みなら、自然からの恩恵を受けるには我慢しなくてはと思います。
秋の自然からの恩恵として、例年この時季にいただくのが「柿」です。
写真の柿は、甘柿の王様と言われる「富有柿」で、明治35年に「この柿を作れば農家に富が有る」ということから「富有柿」と命名されたそうです。
奈良県は、全国でも有数(多分2位)の生産量を誇り、特に五條市は、市町村単位の生産量では、全国1位と聞きました。
今、五條市へ行く機会が比較的多く、吉野川の南側の山の斜面に拡がる柿の木は壮観で、色々と柿の話しも聞きますので、その中から少しお伝えします。
皆さんは、国花は何かご存じですかと尋ねられたら、「菊」、「桜」と答えられると思いますが、国果は何かと尋ねられたら言える人は少ないと思います。
今、話しているので察しがつくと思いますが、法制化はされていませんが、国果は「柿」だそうです。
そして、柿の成分や効用についても、以外とみなさんご存じないのではと思います。
まず、柿には、実はみかんの2倍もあるビタミンCが含まれており、1個食べると1日に必要なビタミンCをほぼ満たす事ができ、風邪対策にいいそうです。
他にも柿には、ブドウ糖や果糖、ビタミンB1、B2、カロチン、タンニン(渋味の原因)などの栄養素やミネラル、食物繊維なども含まれ、とても栄養価の高い果物だそうです。
しかも、ビタミンCとタンニンが血液中のアルコール分を排出し、カリウムが利尿作用を促すため、「二日酔いには柿」とも言われているそうです。
さらに、タンニンはカテキンなどと同じくポリフェノールの一種で、最近注目されている抗酸化作用があります。
これらの成分により、柿には風邪や動脈硬化、高血圧症、二日酔いなどの予防、肝機能や腎機能の強化、滋養強壮、さらには美肌効果、ニキビ予防、シミ・ソバカス予防などに効果があるといわれているそうです。
だから、西洋の「1日1個のリンゴで医者知らず」と同様のことわざで、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うことわざがあるそうです。
取りあえず、本日はここまでですが、柿のことを知れば知るほどすごい果物だと思います。
興味を持った方は、是非一度五條市へ行って、「柿博物館(住所:奈良県五條市西吉野町湯塩1345/TEL:0747-24-0061)」を見学し、「cafeことほぎむすび(〒637-0043 奈良県五條市新町2丁目5−12/TEL:070-3313-9148)」と「にぎわい棟」(五条市役所玄関南側/TEL:070-8513-9922)で、柿を使ったデザートを食べて、興味とお腹を満たしてください。
2023年
11月
09日
木
10月11日(水)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏。
10月12日(木)早朝、ウインドスプリント300m×10本、49分38秒、7.587㎞、平均ペース6分32秒/㎞、累積上昇134m、消費カロリー519㎉。
6分44秒、6分42秒、5分47秒(100m)
4分39秒/㎞、4分55秒/㎞
4分13秒/㎞、4分45秒/㎞
4分25秒/㎞、4分45秒/㎞
4分21秒/㎞、4分32秒/㎞
4分04秒/㎞、4分24秒/㎞
6分50秒、6分27秒、6分13秒(100m)
最後の9本目と10本目が一番速かった。
10月13日(金)早朝、テンポ走、36分28秒、6.2㎞、平均ペース5分53秒/㎞、総上昇量98m、消費カロリー405㎉。
6分47秒(上り下り)
6分33秒(上り)
5分33秒
5分54秒
5分21秒(下り)
5分18秒(上り下り)
5分07秒(200m)
快調にテンポアップして、この行程の自己記録を更新した。
10月14日(土)早朝、坂道ダッシュ400m×3本、45分44秒、6.833㎞、平均ペース6分41秒/㎞、累積上昇148m、消費カロリー526㎉。
6分49秒(上り下り)
6分59秒(上り下り)
6分34秒(500m)
2分26秒(6分12秒/㎞)
2分19秒(5分51秒/㎞)
2分14秒(5分29秒/㎞)
7分24秒(上り下り)
6分01秒(上り下り)
5分42秒(100m)
この行程は6回目だが、自己記録を4分以上更新した。
10月15日(日)雨、休足。
10月16日(月)、階段1045段、46分38秒、6.11㎞、平均ペース7分38秒/㎞、総上昇量87m、消費カロリー464㎉。
7分41秒、8分11秒、7分25秒
7分30秒、8分01秒、7分12秒
5分34秒(110m)
自己記録を19秒更新した。
10月17日(火)早朝、西園美彌さんの魔女トレ。
夜、トレッドミル、30分、4.34㎞、傾斜2.0%、時速8.8㎞(6分45秒/㎞)、手首に重り1㎏×2。
10月18日(水)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏×2。
10月19日(木)早朝、全力・ジョグ・全力、35分17秒、6.198㎞、平均ペース5分41秒/㎞、累積上昇95m、消費カロリー372㎉。
6分41秒(200m)
5分23秒、5分37秒
6分09秒、6分29秒(900m)
5分08秒、5分09秒
6分26秒(100m)
スプリントもインターバルも良かった。
この行程を走るのは20回目だが、自己記録を3秒更新した。
10月20日(金)早朝、ビルドアップ走、34分57秒、6.18㎞、平均ペース5分39秒/㎞、総上昇量90m、消費カロリー413㎉。
6分17秒
6分02秒
5分24秒
5分38秒
5分26秒
5分14秒
5分06秒(180m)
この行程を走るのは19回目だが、自己記録を2分以上更新した。
10月21日(土)、夜、眠っているときに左足の脹ら脛が攣ったので休足。
10月22日(日)午前、ロング走、3時間32分25秒、28.38㎞、平均ペース7分29秒/㎞、総上昇量757m、消費カロリー1911㎉。
1 7分07秒
2 7分06秒
3 7分17秒
4 6分58秒
5 7分22秒
6 6分30秒
7 6分36秒
8 7分18秒
9 7分13秒
10 7分42秒
11 7分39秒
12 6分52秒
13 6分34秒
14 6分52秒
15 6分37秒
16 8分08秒
17 8分16秒
18 7分57秒
19 7分35秒
20 7分56秒
21 6分46秒
22 6分34秒
23 8分41秒
24 8分47秒
25 8分55秒
26 8分52秒
27 8分20秒
28 7分25秒
29 6分41秒(380m)
23㎞地点で、稲渕の坂を上りきったのだが、その後、27㎞地点まで速度が落ちた。
最後は復活したが。
10月23日(月)休足。
10月24日(火)早朝、インターバル走、35分03秒、6.203㎞、平均ペース5分39秒/㎞、累積上昇77m、消費カロリー377㎉。
6分54秒/㎞(200m)
5分30秒、7分28秒/㎞(200m)
5分34秒、6分12秒/㎞(200m)
5分29秒、7分29秒/㎞(200m)
5分16秒、6分34秒/㎞(200m)
5分15秒、5分08秒/㎞(200m)
この行程は20回目。
自己最高記録より6秒遅かった。
10月25日(水)早朝、丘の階段641段、48分35秒、7.18㎞、平均ペース6分46秒/㎞、総上昇量158m、消費カロリー512㎉。
6分40秒(上り下り)
6分51秒(上り)
7分08秒(上り下り)
8分17秒(階段)
7分37秒
5分31秒(下り)
5分33秒(上り下り)
5分15秒(180m)
この行程は18回目。
自己記録を2秒更新した。
10月26日(木)早朝、西園美彌さんの魔女トレ。
夜、トレッドミル、30分、4.34㎞、時速8.8㎞(6分45秒/㎞)、傾斜2.0%、消費カロリー365㎉、手首に重り1㎏×2。
10月27日(金)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏×2。
10月28日(土)早朝、ジョギング、49分55秒、7.73㎞、平均ペース6分27秒/㎞、総上昇量173m、消費カロリー539㎉。
6分48秒(上り下り)
6分59秒(上り)
6分54秒(上り下り)
6分23秒
6分47秒
6分40秒(上り下り)
5分31秒(下り)
5分18秒(上り下り、780m)
この行程の自己記録を更新した。
10月29日(日)、奈良マラソン試走、5時間00分34秒、36.97㎞、平均ペース8分08秒/㎞、総上昇量407m、消費カロリー2400㎉。
1 6分47秒
2 6分22秒
3 6分50秒
4 7分07秒
5 6分59秒
6 6分32秒
7 6分35秒
8 6分27秒
9 7分01秒
10 7分10秒
11 7分24秒
12 7分26秒
13 7分46秒
14 7分03秒
15 7分54秒
16 6分54秒
17 8分16秒
18 8分01秒
19 7分12秒
20 8分00秒
21 7分09秒
22 6分54秒
23 9分18秒
24 9分14秒
25 9分00秒
26 9分06秒
27 7分44秒
28 8分26秒
29 9分44秒
30 9分41秒
31 10分30秒
32 10分00秒
33 9分35秒
34 9分44秒
35 10分59秒
36 10分57秒
37 9分01秒(970m)
28㎞を過ぎてから脚が動かなくなった。
10月30日(月)、休足。
10月31日(火)、休足。
2023年
11月
07日
火
みなさん、こんにちわ。本日は事務局担当日です。
今日の雨以降、気温がぐっと下がるみたいですね。
体調管理にどうぞお気を付け下さい😀
少し前になりますが、10月21日(土)に明日香村で開催された
和太鼓のイベントにお友達と行ってきました。
ご存知でしょうか。
「世界を旅する和太鼓集団 倭 YAMATO」
1993年に明日香村を拠点として結成され、世界中で演奏活動をされている和太鼓集団です。
メディアで拝見してから一度見てみたいなとずっと思っていたところ、
明日香村で無料イベントが開催される、と情報誌で見つけて、行ってきました。
明日香村をゆっくり訪れるのも久しぶりなので、「大人の遠足」ということで、
少し早めに明日香村へ向かい、まずは定番の石舞台へ。
子供のとき以来で、もっともっともっと大きかったような気がしました。
石舞台の下に入れるなんて知らなかったです(大体子供の修学旅行や遠足ってこんなもんですよね~笑)
石舞台の岩のすきまに一本まるまるの立派な蛇の抜け殻を発見し、まわりの観光客の方たちとも大盛り上がりしました😆
石舞台のまわりとぐるっと散策して、橘寺もお参りしてから夕方4時にイベント会場へ。
芝生広場に大きなステージが設置され、たくさんの人が来られていました。
私は今回このイベントを初めて知ったのですが、リピーターの方は、キャンプ用の椅子・テーブルやレジャーシート、寒さ対策の毛布などを持参されていました。
16時からは地元の和太鼓サークルやオランダのYAMATO和太鼓スクールの方も出演し、18時頃からいよいよ倭さんの演奏が。
明日香ののんびりした空の下、芝生に座ったり寝っ転がったりしながら
おしゃべりに花をさかせ、お腹がすいたら屋台でおでんを買って。またおしゃべりして。
夕暮れから段々と陽が落ちて、あたりが真っ暗になり、暗闇にうかぶステージがとても幻想的でした。
初めて生で聞いた倭和太鼓の音色は、明日香の空が震えるような体全体・五感に響き渡る力強さで、それはそれは圧巻でした。
演奏終了後には花火も打ち上がり、とてもすてきな休日になりました。
来年はみなさんも是非行ってみて下さい😀
夜はかーなーり冷えたので、ダウン必須です♪
2023年
11月
02日
木
10月の放射線量と体組成とランニングについて書く。
まず、奈良県橿原市の環境放射線量(ガンマ線)から。
2023年10月の平均値はつぎのとおり。
室内1メートル 0.0431μ㏜/h
室内0メートル 0.0448μ㏜/h
室外1メートル 0.0583μ㏜/h
室外0メートル 0.0699μ㏜/h
室外1メートルが高めで、室外0メートルが低めだった。
つぎに、朝守の身体について。
2023年10月28日の数値はつぎのとおり。
体重 68.85㎏
BMI 21.7
体脂肪率 14.1%
筋肉量 56.05㎏
推定骨量 3.1㎏
内臓脂肪 10.5
基礎代謝量 1607㎉/日
体内年齢 48才
体水分率 60.2%
体脂肪率14.1%は悪くない。
最後に、2023年10月のランニングの結果。
走行時間 20時間52分17秒
走行距離 176.947㎞
累積標高 3036m
走行時間は20時間を超えたが、走行距離は200㎞に届かなかった。
2023年
10月
31日
火
皆さんこんにちは。今日は事務局担当日です。
秋も深まり、朝晩冷え込むようになりました。
ただ日中がまだ暖かいからなのか、今年の紅葉🍁は例年に比べると遅く、
ようやく色づいてきたところでしょうか。
先日、日本郵政グループが、日本初の新たな取り組みとして、
郵便局ネットワークを通じて取得した現地の季節情報を
日本気象株式会社の「お天気ナビゲータ」において配信する
『ぽすナビ』の実証実験を開始した、というニュースを見ました。
実施期間は、
10月16日から11月30日までで、
地域の郵便局員さんが日々の紅葉情報や、
おすすめの服装などを写真を添えて
ほぼ毎日配信するとのことです。
紅葉を見に行くなら、現地がどのような様子か
事前に見られるのは嬉しいですよね。
関西地区もあるのかなと思っていたら、
まずは日光・鬼怒川エリアの地域限定で
開始するとのことで残念😓
今年の紅葉には間に合わないですが、来年の桜のシーズンには、
関西ほか各地でもサービスを開始してもらえるとありがたいです。
これからお出かけする際の参考になるといいですね。
これからますます秋の観光シーズン真っ盛りですが、最近のように日中との気温差が
10度以上あると、寒暖差で体の免疫機能が低下しやすくなっています。
しかも、現在、インフルエンザの感染が急速に拡がっていて、
ワクチン接種は既に始まっているものの予約が取れないところも出てきているとか・・・。
皆様も体調管理にはくれぐれもご注意下さい(^_^;)
2023年
10月
30日
月
メンターにはいろいろな種類があります。生涯師として仰ぎ見て、ずっとその後についてゆく人もいるし、一時的にA地点からB地点まで移動するときの道案内をしてくれただけの人もいます。
2023年10月23日の内田樹さんの論考「メンターはどうやって見つけたらいいのでしょう?」をご紹介する。
どおぞ。
韓国のある出版社から「韓国オリジナルの本」を出すことになった。先方から質問を送ってもらって、それに僕が答えて、それで一冊にするという趣向である。
その中に面白い質問があった。「メンターはどうやって見つけたらいいのでしょう?」というものである。
「最近はオンラインでのコミュニケーションが活発になったおかげで物理的に遠く離れている人をメンターとする人もいたりします。 韓国では「オンライン先輩」「オンラインメンター」というような言葉もあります。良いメンターとメンティ、あるいは望ましい師匠と弟子の関係とはどのような形なのでしょうか?」
以下が私からの回答。
メンターにはいろいろな種類があります。生涯師として仰ぎ見て、ずっとその後についてゆく人もいるし、一時的にA地点からB地点まで移動するときの道案内をしてくれただけの人もいます。例えば、広い川の前に来た時に、渡し船が来て船頭さんに「乗るかい?」と誘われて、それに従って、向こう岸に渡って、そこで別れたとしても、その船頭さんがいなければ「向こう岸」には着くことができなかった。それなら、この船頭さんもメンターの一人です。
講道館柔道の創始者嘉納治五郎が柔術を学ぼうと思い立ったのは明治10年(1877年)彼が18歳の時のことです。でも、明治維新の直後で、ほとんどの古流武道はもう教える人も学ぶ人もなく、戦国時代以来の道統は消滅しかけていました。
当時、失業した柔術師範たちは骨接ぎで生計を立てていたので、治五郎は、あちこちの骨接ぎ医を訊ねては「柔術をご指南願えないか」と頼みましたが、どこでも「もう教えてない」と断られました。でも、ある時出会った八木貞之助という骨接ぎ医が「私はかつて天神真楊流という柔術を稽古していたが、今は教えていない。だが、道友の福田八之助はまだ弟子をとっているらしいから紹介しよう」と言ってくれました。治五郎はそこで福田に就いて天神真楊流を学び、福田が没した後は同流の磯正智と起倒流の飯久保恒年に就き、明治15年に自ら一流を開いて、講道館柔道と称しました。
福田と磯と飯久保の三人は実際に嘉納治五郎に柔術を教えたわけですから当然彼の「メンター」と呼んでいいと思いますが、僕は八木も「メンター」に数えてよいのではないかと思います。その人が繋いでくれなければ「その先」に進めなかったという意味では、彼も立派な「メンター」です。先ほどの例で言うなら、「渡し船の船頭さん」です。
「メンター」というものをあまり大仰にとらえない方がいいと僕は思います。就いて学ぶ以上は「生涯にわたって尊敬し続けられる師」でなければならないとメンターのハードルをあまり高くすると、「この人もダメ、この人もダメ」と次々と排除しているうちに、最終的に「ついに死ぬまで誰にも就いて学ぶことがありませんでした」ということになりかねません。
僕はメンターという言葉をもっと広義に用いてよいと思います。そこには「生涯の師」も含まれるし、「渡し船の船頭さん」も含まれる。学ぶ側も「オープンマインデッド」でなければならない。「自分で立てた厳しい条件を満たす人以外からは何も学ばないと決意した人」と「出会うあらゆる人から、それぞれの知見を学ぶことができる人」とではどちらが知的に成熟するチャンスが多いか、考えるまでもないでしょう。
そもそもどうして「学ぶ」というときに、そんなに肩ひじを張るのでしょう。実は前に韓国から来た青年たちと歓談したときにも、「内田先生に何か質問がある人はいますか?」と司会の朴先生が訊ねた時に、「訊きたいことはあるのですが、ここで先生から答えをもらってしまうと、自力で問いに向き合うチャンスを失うことにはならないのでしょうか?」という発言をした若者がいました。
またずいぶん堅苦しい考え方をする人だな・・・とちょっと驚きました。そんなのじゃんじゃん訊けばいいじゃないですか。質問して答えを得たからといって、別にその答えに居着く必要はないんですから。「なんかこの答え、違うみたいだな」と思ったら、聞き流せばいい。「なるほど、そういう考え方もあるのか」と思ったら、脳内のデスクトップのどこかに転がしておけばいい。そのうち何かの役に立つことがあるかも知れないし、まったく役に立たないかも知れない。そんなことは先にならないとわかりません。
もしかすると、「人にものを訊く」ことを「借りを作る」ということのように思っているのでしょうか。そうかも知れませんね。「コンサルタント」とか「アドバイザー」とか、質問に答えることでお金を取ることを商売にしている人がいまはたくさんいますから。うっかり質問すると、その人に対して「お金」ではないにしても、「敬意」とか「遠慮」とかいう「借り」ができる。それは面倒だから、訊かないでおこう・・・というふうに考えても不思議はありません。
でも、それは違いますよ。「答えを与えること」を商売にしている人たちは、相手が誰でも問いが同じなら、同じ答えを与えます。でも、メンターは違います。同じ問いでも、相手によって答えを変える。
僕は前に合気道の多田宏先生にロングインタビューをしたことがありました。もう20年以上前のことです。そのときは先生の道場の一部屋で長い時間話をしました。インタビューを切り上げて、二人並んで道場の玄関から出ようとしていたときにふと思いついて、「先生、武道において一番たいせつなことはなんでしょう?」というとんでもない質問を向けたことがあります。すると先生はすっと目の前にあった「脚下照顧」という看板を指さして、「これだよ、内田君。『足下を見ろ』だ」と答えられました。
すごいなあと僕は思いました。まさに僕からの質問を見透かしたように、先生は間髪を容れずにぴたりとはまる答えをされたからです。さすが達人というのはたいしたものだと思い、この話をあちこちで書いたり、門人に話して聞かせたりしてきました。
でも、それから何年か経ってから、もしあの時僕が道場の玄関ではなくて、例えば商店街の中の道を歩いている時とか、駅の改札口で、同じ質問をしたら、先生は何と答えただろうと、ふと思ったのです。その時にはもしかすると先生は「歳末大警戒実施中」とか「そうだ、京都へ行こう」とかいうポスターをさっと指さして、「『機を見ろ』だよ、内田君」とか「『直感に従え』だよ、内田君」とか言ったのではないか・・・。そう思ったら、ますます「達人というのはたいしたものだ」と思うようになりました。
多田先生の答えはコンサルタントとかアドバイザーが機械的に出力する「できあいの答え」とはまったく別のものだったのだと思います。その刹那に、その相手に対して、その場でしか生じることのない「唯一無二の答え」をする。
人にものを訊くというのは、本来はそういう経験を求めてのことだと思います。だから、人にうっかり質問をして答えを得たら、自分の成長が止まるんじゃないかなんて、心配することはありませんよ。
2023年
10月
27日
金
私が高校生たちに言いたいことはたくさんある。孤立を恐れるな。多数派に従うな。自分の直感に従え。愛と共感の上に人間関係を築くな。ものごとを根源的に思考しろなどなど。でも、私がした話の中で高校生たちが一番はっきりとした反応を示したのは、「助けて」というシグナルを聴き落とすなという話だった。
2023年10月14日の内田樹さんの論考「高校生に言いたかったこと」をご紹介する。
どおぞ。
修学旅行で関西に来ている高校二年生200人のための講演を頼まれた。日本の未来を担う若者たちである。長く生きてきた人間としてはどうしても言っておきたいことがある。喜んで引き受けた。
でも、高校生はせっかくの楽しい修学旅行の最中に(それも晩ご飯の前に)知らない男の説教なんか聞きたくもないだろう。先方は「聴く気がない」、こちらは「袖にすがっても言いたいことがある」。合意形成は難しい。とはいえこちらも教壇に立つこと半世紀という老狐である。絶対に寝かさないで最後まで話を聴かせる術は心得ている。
それほどたいしたことではない。準備したことではなく、その場で思いついたことを話すのである。その場で思いついたことだから、うまい言葉がみつからない。時々絶句する。でも、絶句というのは聴衆を引き付ける上ではまことに有効なのである。
結婚式のスピーチで、用意してきた台詞を忘れて、頭が真っ白になって立ち尽くしている来賓がいたりすると、式場は「しん」と静まり返る。全員が注視する。
講演も理屈はそれと同じである。何か言いたいことがあるらしいが、うまい言葉が見つからないで絶句している人が壇上でマイクを握っていれば、高校生だって目を覚ましてくれるだろう。
私が高校生たちに言いたいことはたくさんある。孤立を恐れるな。多数派に従うな。自分の直感に従え。愛と共感の上に人間関係を築くな。ものごとを根源的に思考しろなどなど。でも、私がした話の中で高校生たちが一番はっきりとした反応を示したのは、「助けて」というシグナルを聴き落とすなという話だった。
「助けて」という救難信号を発信している人がいる。君はそれを聴き取った。周りを見渡すと誰も気づかずないらしく、そ知らぬ顔で通り過ぎてゆく。でも、君には「助けて」が聴こえた。だとしたら、それは君が「選ばれた」ということである。だったらためらうことはない。近づいて、手を差し伸べなさい。
「助けて」にはいろいろな変奏がある。最もカジュアルなのは「ちょっと手を貸してくれない?」という文型をとる。この「ちょっと手を貸してくれない」という声も多くの人の耳には聞こえない。でも、君はそれを聴き取ってしまった。それは「悪いけど、そこのドア開けてれくれる?」とか「その紙の端っこをちょっと押さえててくれる?」くらいのごく簡単な仕事だったりする。でも、「あ、いいですよ」の後の「どうもありがとう」から「何か」が始まることがある。他の人には聴こえない「助けて」が君には聴き取れたのだからそれは君ひとりのために用意された機会だったのだ。
「天職」に人が出会うのはたいていこの「ちょっと手を貸してくれる?」に応じたことによってである。私はそうだった。
君たちはこれからの人生で無数の「助けて」を聴き取ることになると思う。聴き取れる「助けて」は一人ずつ違う。それは君だけに向けられた救難信号なのだ。だから、決して聴き逃さないようにね。
そう言って講演を終えた。高校生たちは目を丸くして私を見つめていた。生徒代表の女子が私に花束を差し出しながらにっこり笑って「『助けて』を聴き逃さないようにします」と言ってくれた。
2023年
10月
26日
木
10月1日(日)午前、稲渕の坂と細川の坂、2時間24分25秒、18.8㎞、平均ペース7分41秒/㎞、総上昇量473m、消費カロリー1299㎉。
1 7分39秒(上り下り)
2 7分31秒(上り)
3 6分54秒
4 7分52秒
5 9分38秒(上り)
6 8分40秒(上り下り)
7 7分44秒
8 8分29秒(上り)
9 10分57秒(上り)
10 7分59秒(下り)
11 6分26秒(下り)
12 6分50秒
13 7分53秒
14 7分20秒(上り下り)
15 6分39秒(下り)
16 6分48秒
17 7分47秒
18 6分28秒(下り)
19 6分03秒(800m)
先週とちがって、今週は最後まで走り切れた。
10月2日(月)、休足。
10月3日(火)早朝、安藤大さんのアントレ、足首に重り1.1㎏×2。
10月4日(水)早朝、ビルドアップ走、38分36秒、6.17㎞、平均ペース6分15秒/㎞、総上昇量92m、消費カロリー424㎉。
6分57秒(上り下り)
6分59秒(上り)
6分14秒
6分12秒
5分51秒(下り)
5分29秒(上り下り)
5分15秒(170m)
10月5日(木)早朝、インターバル走、35分25秒、6.176㎞、平均ペース5分44秒/㎞、累積上昇101m、消費カロリー493㎉。
7分40秒(200m)
5分31秒、7分12秒/㎞
5分37秒、6分29秒/㎞
5分26秒、8分17秒/㎞
5分26秒、6分25秒/㎞
5分17秒、5分11秒/㎞
この行程は19回目だが、35分25秒は2番目の記録だった。
10月6日(金)早朝、丘の階段641段、48分37秒、7.21㎞、平均ペース6分45秒/㎞、総上昇量146m、消費カロリー500㎉。
6分39秒(上り下り)
6分52秒(上り)
6分57秒
8分03秒(階段)
7分50秒
5分33秒(下り)
5分34秒(上り下り)
5分30秒(210m)
この行程の自己記録を2秒更新した。
10月7日(土)、休足。
10月8日(日)、休足。
10月9日(月・祝)、休足。
10月10日(火)早朝、西園美彌さんの魔女トレ。
夜、トレッドミル、30分、4.34㎞、傾斜2.0%、消費カロリー365㎉、手首に重り1㎏×2。